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ルクセンブルクにおける 欧州憲法条約批准手続きに係る国民投票(レファレンダム)の結果 |
7月10日、ルクセンブルクは、欧州憲法条約批准手続きの一環として国民投票を行い、賛成票(56.52%)が反対票を上回った。 本結果については、ユンカー首相を始め、ルクセンブルク国内の多くの関係者が右を歓迎しており、フランスとオランダによる2つの否決の後、悲観的なムードの漂っていた中、他のEU加盟諸国も良い方向性として本件結果を歓迎しているところ、同国民投票実施の背景状況、国民投票後の国内外における反応等についての評価・分析及び概要を各種報道及び有識者意見をもとに取り纏めると次のとおり。 そして、10月25日に第二回目の国民議会での投票で賛成多数により可決し、ルクセンブルクにおける批准は、確定した。
1.結果 【結果】賛成56.52%の結果が得られたことにより、国民議会による第二投票を残すものの第一回投票で既に全会一致で可決していること、国民議会自身が国民投票の結果を尊重することとしていることから、実質的にルクセンブルクの批准は可決されたといっても過言ではない。従って、(実質上)第13か国目の批准国となり、EU全加盟国の過半数の批准を終えたといえる。 【反対派の存在と分布】全体の43.48%を占める反対派、そして特に南部フランス国境沿いのコミューンにおいて反対票が優勢であった。 なお、反対派の分布について、より詳しく見た場合、①反対派が賛成派を上回ったコミューンは、118コミューン中9コミューンであり、地理的分布上は、北部の2つのコミューン以外の7つのコミューンは全て南部の工業地域でフランスと接する地域に集中している。なお、それ以外の109のコミューンでは賛成派が反対派を上回ったが、実態上は、各々のコミューンにおける内訳を見てみると、ルクセンブルク市周辺やその他の一部を除き、30%後半から40%台の反対票となっており、全国的に一定の割合でNONが存在していた。
2.国内における反応・反響 【ユンカー首相(キリスト教社会党)】首相であることを嬉しく思う。欧州そして世界に対して、欧州憲法条約は死んでいないことを示す結果である。また、反対に投票した人々による結果を十分に考慮に入れる必要がある(声明)。 【アッセルボルン副首相兼外務・移民大臣(社会労働党)】否決の傾向を断った(国民投票後の記者会見)。 【シュミット外務・移民担当大臣(社会労働党)】13か国目として承認し、批准国は過半数を超えた(国民投票後の記者会見)。 【ゲーレン民主党議員(野党):前国防大臣】歓喜に涙した。(民主党における重要議員。同議員出身のコミューンであるシーレンにおける賛成投票は66.97%と同議員の説得活動が奏功した。同議員は、北部及び各方面にて賛成への説得活動を積極的に行った。)(報道) 【ボドリー社会労働党党首】結果には全面的に満足している。明確な賛成である。なお、反対の理由につき真剣に受け止めなければならない。社会党としては、社会的側面の強化につき取り組まなければならないこととなる(報道)。 【ギベリエン年金党党首】国民投票の結果、NONの割合が高かったことを評価する。良く抵抗した。なお、今次結果を尊重し、国民議会における2回目投票においては賛成に投票する(報道)。(注:第一回投票においては、国民投票に対する影響力行使であるとして欠席(5議席)した。)
3.国外における評価等 【欧州委員会】大いなる満足であり、強いシグナルである(バローゾ委員長:報道) 【欧州議会】大変嬉しい。(ボレル議長:報道) 【ドイツ】本件結果を歓迎。現在の危機を乗り越えるための共通の道を見いだす上で勇気づけられる。(シュレーダー首相)。同国にとって、また欧州にとって喜ばしい、ユンカー首相に祝福と経緯を表する(フィッシャー外相:公電+報道)。 【フランス】シラク大統領はユンカー首相に電話し、祝福。ドストブラジ外相もユンカー首相に対して歓迎の意を表明。バルニエ元外相も同じく歓迎し、欧州憲法条約は死んでいない旨コメント。 【スペイン】(憲法条約の支持が)過半数を超えたことは、ネガティブな状況を打開し得る。(外相:報道) 【イタリア】欧州の連帯と統合に資するものであり、テロとの闘いとの観点からも重要である(外相:公電)。 【ポルトガル】ポジティブな結果。欧州に蔓延する悲観主義を欧州人を結びつける建設的かつ賢明な態度に変え得るものである(外相:公電) 【ポーランド】欧州憲法条約を救う意味を持つ(外相:報道)。 【エストニア】歓迎する。これからの批准予定国に良い影響を与えることを希望する(外務報道官:報道)。 【リトアニア】歓迎する。ルクセンブルクは、小国の模範であり、小国でも、欧州統合の代表的な役割を果たし得る(大統領から大公殿下宛の書簡:報道)。
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