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ルクセンブルク経済・金融情勢(2006年10月)

【主要トピック】

・金融セクターの好調はルクセンブルク経済情勢の改善に大きく貢献している。しかし、同セクターへの過度の依存及び人材の確保を懸念する声は政府、商工会議所はじめ関連機関より上がっている。

・2006年のインフレ率は2.7%に達する見込み。2007年に関しては1.7%を予想(STATEC(統計局))。特に食料品については8~12%の上昇とも報じられている。しかし、12月1日に実施される賃金物価スライド等により、物価上昇が与えるルクセンブルク経済への打撃は少ないと見られている。

1.企業活動

(1)工業生産高は、第2四半期に低迷したが、回復傾向にある。しかしながら記録的な結果を期待することは出来ない。

(2)5月以降失業率は低下しているが、そのことが自動的に産業界の雇用の回復を意味するのではなく、雇用の低下傾向が緩和されつつあるという状況に留まるものとみられている。

2.住宅建築

(1)建築需要は全般的に2005年と同レベルにあり、本年第3四半期に実施された調査からも全体的に特に目立った傾向は見られない。

(2)建築に要する期間は顕著に短縮化されている。1月に平均4.4か月を要していたのが、10月には3.8か月に短縮しているが、建築業界は需要不足を指摘している。

(3)土木分野に関しては、8月に需要が大きく伸びたことを反映して業績はやや好調。

3.金融セクター

(1)利鞘及び手数料による収入は、2006年初頭よりそれぞれ10.8%、19.3%上昇。

(2)雇用及び賃金の上昇を受けて、人件費は増加傾向にある(2006年初頭より11.3%上昇)。

(3)業績の大きな伸びは第1四半期の好調に拠る所が大きく、年間18.5%の伸びを予想している。

4.雇用情勢(失業問題)

(1)2003年以来の失業率の上昇は、主に軽労働のみが可能な人(CTR:肉体的及び精神的障害者など)の大量流入によるものと説明されている。2006年9月現在、CTRは1000人に上り求職者全体の11%を占めている。

(2)CTRを除いた失業率は、厳格な意味での失業率及び広範な意味での失業率を0.4~0.5%下回る(前者は4.4%のところ3.9%、後者は6.3%のところ5.9%)。

5.インフレ

(1)9月の消費者物価指数上昇率は2.4%になり、10月は2%を下回る見込み(2003年末に2%であった所2006年半ばには3%以上を記録)。

(2)主な要因は石油価格の低下(2006年8月上旬には78ドルであったが、10月上旬には60ドルをやや下回った)。

(3)ユーロゾーンのインフレレベル(8月に2.3%であったが、9月には1.7%)との乖離は継続。

6.輸出入

(1)2006年上半期の経常収支は16億ユーロの黒字(2005年上半期10億8000万ユーロ)。これは投資信託の良好なパフォーマンスの結果、サービス収支の黒字が前年同期比で30%以上増加したことに拠る。

(2)その他のサービス産業の活動は寧ろ黒字が後退している傾向にある。主な理由は、非居住者の支出の安定化、商業に関連するサービス収入の減少、逆に企業における他のサービス支出の増加である。

 

*政府広報(統計局、雇用局)、各種報道から取りまとめたもの

 

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