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ルクセンブルク経済・金融情勢(2007年 4月)

【主要トピック】

金融セクターの資産高の順調な増加。

新規雇用の創出、良好な経済成長率といったポジティブな側面と同時に、依然として高いインフレ率に 

注意が必要(春の見本市におけるクレッケ経済・通商大臣発言より)

手厚い労働者保護及び高い年金支給額についての改革など、雇用市場の柔軟化の必要性が、OECD

より指摘されている(Réformes Economiques: Objectif Croissance 2007, p.36)。

 

企業活動

(1)2007年初頭、工業製品価格は昨年比12%上昇。その2/3は鉄鋼業関連製品の価格上昇による

  もの。

(2)鉄鋼業を除くと7%の価格上昇。これは金属製品の価格上昇によるもの。

(3)エネルギー関連(電気、ガス、水)の価格は2006年第3四半期以降低下しており、原油価格の安定

  の間接的影響と考えられる。

 

建築セクター

(1)過去数ヶ月間建築セクターは非常に良好なパフォーマンスを見せており、特に土木建築に関して顕

  著である。

(2)土木建築は2004年から2006年にかけて非常に困難な時期を経験したが、2006年中葉より持

  ち直してきている。

 

3.金融セクター

(1)銀行セクターの3月末の引当前営業利益は15億7800万ユーロ、前年比10.8%減。これは、

  2006年第1四半期に銀行間の合併(子会社化)が行われたことで例外的なプラス・バリューが生じ

  たことによる。

(2)銀行資産残高は、3月末8,6079億ユーロに達し、前月比1.68%増(CSSF(金融監督委員会)

  2007年5月ニュースレター参照)。

(3)投資信託残高は、3月末1兆9,2736億ユーロに達し、前月比0.98%、前年比15.05%増。こ

  れは証券市場の取引価格上昇と新興国の資金の流入によるもの(CSSF(金融監督委員会)2007

  年5月ニュースレター参照)。

 

4.雇用情勢

(1)3月(季調済)失業率は、4.5%(ADEM公表値)。

(2)2006年の雇用増は11,327人で、前年比3.7%の増加。特に金融セクター、不動産・企業サー

  ビスセクターに顕著。

(3)失業率は90年代後半に若干の低下が見られたもののその後上昇の一途を辿っている。中でも若

  年層(15-24歳)及び外国人女性の失業率の上昇が顕著で、それぞれ2006年は前年比

  16.2%、9%増となっている。

 

5.インフレ

(1)2007年第1四半期インフレ率は2.1%に低下(2006年第1四半期2.9%)。これは原油価格の

  値下がりを反映したものである。

(2)原油価格の影響を除外した季調済インフレ率に関しては、2004年中頃以降、ルクセンブルクのみ

  ならずユーロゾーン全体で断続的に上昇が見られる。

(3)2006年、労働コストは、前年同期比で第1-3四半期には2.5%上昇していたところ、第4四半期 

  には1%に上昇率が減速しており、賃金上昇率の減速が見られる。

 

6.対外関係

(1)2006年財政収支は35億ユーロの黒字。前年比7%の改善が見られる。

(2)黒字の34%が投資信託関連業務より生じた利益によるもの。

 

 *ルクセンブルク政府発表(政府公報(統計局・雇用局))や、各種報道などの公開情報を取りまとめたものです。

 

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