トップページ>政治経済>経済分野 ルクセンブルク経済・金融情勢 2007年 5月
ルクセンブルク経済・金融情勢(2007年5月) |
【主要トピック】 ・GDPの増加、雇用機会の増加にも拘らず、雇用に関わる費用の増加に伴う労働生産性の低下が顕著 である。 ・1999年と比較すると今日の経済指標の全体的な悪化が見られる(インフレ率:1999年EU加盟国中 5位→2007年18位、雇用費用:5位→14位(BCL(ルクセンブルク中央銀行)公表値)。 ・政府による構造改革が不可欠であることがBCL及びUEL(ルクセンブルク企業連盟)により指摘され ている。
1.産業セクターにおける被雇用者数の推移 (1)2006年、ルクセンブルク産業セクターにおける被雇用者数はユーロ圏平均以上に減少が見られ る。 (2)雇用の脱工業化がそれ程進まなかった2001年以降の傾向の終焉を示している。 (3)2001年以降、産業セクターにおける雇用は、ユーロ圏においては1.1%、EU27か国平均では 1.4%減少していたところ、ルクセンブルクでは平均0.4%減に留まっていた。 2.建築セクター (1)建築許可数は、非住宅用建築物に関して2005年第3四半期以来の増加を記録し、前年比25%の 増加。 (2)2006年第3四半期以降、住宅用建築物の減少が見られる。2006年全体の建築許可数は4%減 少しており、堅調な伸びを見せていたここ数年間と比較すると顕著な変化が見られる(2003年には 前年比10%増、2004年には22%増、2005年には16%増)。 3.金融セクター (1)銀行セクターにおける被雇用者数は、2007年第1四半期末25,214人と、前年第3四半期比 1.9%増、昨年同期比6.1%増(BCL公表値)。 (2)2007年第1四半期よりBanque Raiffeisenの地方支店における被雇用者479名を統計に取り込ん でいることから、2006年の基準に則って計算すると実際の増加数は5.2%となる。 (3)2006年銀行業務から生じた付加価値の伸びの鈍化に伴い、銀行セクターにおける被雇用者数の ピークは過ぎたと看做すことが出来る。 (4)銀行資産残高は、4月末8,667億ユーロに達し、前月比0.69%増(CSSF(金融監督委員会) 2007年6月ニュースレター参照)。 (5)投資信託残高は、4月末1兆9,669億ユーロに達し、前月比2.06%、前年比15.05%増。これ は証券市場の取引価格上昇と新興国の資金の流入によるもの(CSSF2007年6月ニュースレター 参照)。 4.雇用情勢 (1)2006年、ルクセンブルクにおいては40,000人がパートタイム(130時間/月)で働いており、前 年比5.5%増加しているが減速傾向にある(2005年前年比6.1%増)。これはルクセンブルク居 住者、越境労働者の双方に同様に見られる。 (2)越境労働者の増加率はルクセンブルク居住の被雇用者のそれを上回っており、これはフルタイム、 パートタイム就労者双方に同様に見られる。 (3)パートタイム就労者率は、越境労働者よりも居住者の方が高い(前者16%、後者11%)。 5.インフレ、賃金スライド (1)5月のインフレ率は前年比1.9%に低下(3月2.14%、4月2.09%)(STATEC(統計局)公表 値)。 (2)STATEC発表のインフレ予想値からは2007年第4四半期に賃金スライドが行われるべきである が、昨年の政労使三者協議において、賃金スライドは2007年には実施されず、2008年以降となる ことが決定されている。次回は、原油価格の推移次第であるが、2008年1月または3月が予想され ている。 6.対外関係 (1)2006年におけるサービスの輸出は、モノの輸出の約2倍上昇率。 (2)これは金融セクターの国際業務(90%が投資信託関連業務)の増加に大きく依拠するもので、サー ビスの輸出の全体の34%を占める。
*ルクセンブルク政府発表(政府公報(統計局・雇用局))や、各種報道などの公開情報を取りまとめたものです。 |
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