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ルクセンブルク経済・金融情勢(2007年6月)

 

【主要トピック】

  ・第1四半期のGDP成長率速報値は前年比6.2%。第2四半期に関しては、当初の予想値6.3%を5.7%

 に下方修正。また第3四半期、第4四半期に関してはそれぞれ5.7%から6.0%に、5.0%から6.1%に上方

 修正(STATEC(統計局)公表値)。

  ・ ルクセンブルクは、EU外に海外直接投資(FDI)を行っている主要国の一つ(フランス、ドイツに続きEU加盟

 国によるEU域外直接投資額の15%を占める)。またEU域外諸国からの直接投資受入国としてはEU加盟国第

 一位(570億ユーロ)。これは金融仲介業が対外直接投資の流れの9割を占めることが大きな要因(Eurostat

 公表値)。

  ・就業期間中の平均賃金に占める年金受給額の割合は、OECD平均59%であるところ、ルクセンブルクは

 96%に達している(OECD公表値)。

 

1.産業セクター

(1)2007年4月、5月の産業セクターの業績は非常に良好。

(2)生産性は上昇傾向にあり、受注状況も良好、また雇用の見通しも明るいものとなっている。

 

2.建築セクター

(1)建築セクターの企業に対して行ったアンケートによると、第1四半期と比較して若干の低下が見られる。

(2)但し、第一四半期には、良好な気象条件が生産にポジティヴな要素となっていた。

(3)土木建築工事は建物建築よりも活発である。

 

3.金融セクター

(1)投資信託残高は、5月末2兆246億ユーロに達し、初めて2兆ユーロの大台を超えた。前月比2.06%増、前

 年同期比15.05%増(CSSF公表値)。

(2)投資信託残高は毎月100億ユーロ単位で増加している。

(3)ルクセンブルク籍の投資信託数は、4月末で2,276であったところ、5月末には2,302に増加。また、投資

 信託業界の実績は、前月比2.93%増、2006年12月末日比9.75%増と顕著な増加を見せている(CSSF

 公表値)。

(4)これは、ヨーロッパ、アメリカや、特に新興経済諸国の良好なマクロ経済情勢によるものといえる。

 

4.雇用情勢

(1)5月末時点での季調済失業率は4.4%と、4月の4.5%から減少。

(2)ハンディキャップを負った労働者(CTR)に関する法改正により、2006年には951人であった登録者が本年

 5月には約300人増の1,247人に達した。しかしながら、このカテゴリーの労働者を除くと、求職人口は第1四

 半期と比較して減少している点が重要。

 

5.インフレ、賃金

(1)5月のインフレ率は前年比1.90%に低下(3月2.14%、4月2.09%)(STATEC(統計局)公表値)。

(2)第1四半期、労働賃金は前年同期比2.9%上昇。この上昇の大部分は賃金スライド制による。

(3)ルクセンブルクとは反対に、ユーロ・ゾーンにおいては前年同期比2.2%の上昇に留まっており、特にドイツ、

 ベルギーの賃金上昇率は低い(ドイツ0.1%、ベルギー2%上昇)。

 

6.対外関係

(1)輸出総額は前年比5%増と若干の伸びが見られる。これは、価格の上昇が著しい金属関連製品の輸出の増

 加によるものと言える(前年比10%増)。

(2)輸入に関しても、金属製品及び原材料としての非食用油の価格上昇が見られる。また鉱物燃料の輸入高の

 顕著な減少が見られる(前年比30%減)。

 

*ルクセンブルク政府発表(政府広報(統計局・雇用局))や、各種報道などの公開情報を取りまとめたものです。

 

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