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ルクセンブルク経済・金融情勢(2007年7月)

 

【主要トピック】

・STATEC(統計局)は、2007年のGDP成長率を6.0%に上方修正。

EUROSTATによると、ルクセンブルクにおける物価は、EU平均(100)を若干上回る115。

 

1.産業セクター

(1)生産性は昨年1月から本年4月までの間1.4%増加。しかし、鉄鋼産業を除くと、増加率は0.2%に過ぎな

  い。

(2)これは、フランス(1.1%増)、イタリア(0.9%増)と比較すると悪くはないが、ドイツ(6%増)、アイルランド

  (10.9%増)と比べると相対的に控えめな数字といえよう。

 

2.建築セクター

(1)2007年に入ってからの4ヶ月間で、建築セクターの伸びは前年比8%増に達している。特に土木建築部門の

  伸びが顕著である(約23%増)。

(2)これは良好な気象条件が大きく影響しているため、今後同セクターの成長率が停滞する可能性を含んでい

  る。

 

3.金融セクター

(1)2007年6月の銀行業界の利益は31億6,600万ユーロに達しており、これは昨年同期比9.7%増となっ

  ている。アルセロール社売却に伴う昨年の例外的な収入を除くと、昨年同期比で25%の収入増となっている

  (CSSF(金融監督委員会)公表値)。

(2)銀行資産残高は5月末8,762億ユーロに達し、前月比1.09%増(CSSF公表値)。

(3)2007年第1四半期末の情勢と比較すると、手数料収入の増加が顕著である。

(4)投資信託残高は、6月末2兆470億ユーロに達し堅調な伸びを見せている(CSSF公表値)。

(5)保険業界に関しては、損害保険セクターで前年比8.95%、生命保険セクターでは0.92%の収入の増加が

  見られた(保険監督庁公表値)。

 

4.雇用情勢

(1)6月末時点での季調済失業率は4.5%と、ここ9か月間安定している(雇用局公表値)。

(2)臨時雇用の増加は、国内雇用の増加に大きく貢献している。2007年第1四半期には他のセクターにおける

    雇用の増加が4.1%であったのに対し、16.1%増加。

(3)ルクセンブルク国内における雇用は2007年第1四半期4.3%増加が見られるが、内0.2%は臨時雇用の

    増加を反映したものである。

(4)若者の雇用情勢に関してSTATECが公表したレポートによると、15-29歳の若者の期限付雇用(CDD)に

    よる雇用率は18%と高い(雇用人口全体ではCDDは6%を占めるに過ぎない)が、インターンシップのケース

    や、それが無期限雇用契約(CDI)に繋がるケースが多いとしている。また、社会的出自のインパクトに関して

    は、親の職業と同じ職業を選ぶ確率が高いことを指摘。

 

5.インフレ、賃金

(1)2003年以降原油価格は上昇の一途を辿っているが、ルクセンブルクにおけるインフレ率にはそれほど影響

     を与えていないと言える。これは、強いユーロの影響によるものと言えよう。

(2)7月の消費者物価指数は前月比1.03%低下。これは夏のセールの影響によるもの。

 

6.対外関係

(12007年第1四半期の財政収支は11億1,100万ユーロの黒字となり、前年同期の11億900万ユーロか

  ら若干の増加が見られる(ルクセンブルク中央銀行及びSTATEC公表値)。

(2)貿易赤字の減少は、サービス貿易、金属産業の輸出の増加と、石油製品の輸入の減少によるもの。

(3)金融サービスの輸出に関しては、2007年初頭前年比12%の増加に留まっており、前年同期の30%増と比

  較すると若干の停滞が見られる。

(4)金融サービス以外の輸出に関しては、1%増に留まっている。

 

*ルクセンブルク政府発表(政府広報(統計局・雇用局))や、各種報道などの公開情報を取りまとめたものです。

 

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