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ルクセンブルク経済・金融情勢 2007年8月
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【主要トピック】 ・ サブプライム問題を受け、金融セクターの成長率は若干低迷。ルクセンブルク中央銀行(BCL)は2007年の 経済成長率を4.7~5.3%と予想するも、不確実性が極めて高いことに注意を促した。 ・ 金属製品の価格の上昇に伴い、工業製品及び建築費用の上昇が見られる。
1.工業セクター (1)工業製品の価格は上昇傾向が続いている。ここ5ヶ月間で前年比12%上昇。 (2)特に2004年以降の鉄鋼製品の価格上昇は著しく、2007年の5か月間で23%上昇。これは非金属鉱物 (前年同期比15%増)、金属(同8%増)の価格上昇によるもの。 (3)燃料価格に関しては、ここ2年間著しい上昇率(年間平均15%増)であったが、安定してきており、上昇率は 2006年初頭のレベル(年間0.8%増)に戻りつつある。 (4)工業製品の生産性は、第2四半期には前四半期比0.4%低下(季調済値)。これは鉄鋼の生産性低下 (3.8%減)に拠るところが大きい。
2.建築セクター (1)2007年第1四半期を通じて、建築費は上昇傾向にあり年間で3%増。 (2)これは、工業製品の価格上昇と同様、金属製品の価格上昇に拠るところが大きい。 (3)建築セクターの成長率は著しく、前四半期比5.2%増。
3.金融セクター (1)銀行資産残高は7月末8,871億ユーロで、前月比0.7%増(CSSF公表値)。 (2)投資信託残高は7月末2兆529億ユーロで、前月比0.29%の微増(CSSF公表値)。 (3)アメリカにおけるサブプライムローンに端を発する信用危機の影響を受け、市場に不安定要因が生じたことに より、金融セクターの成長率にブレーキが掛かったと言える。 (4)金融セクターで働く被雇用者数は25,404人(2007年7月30日現在)に達しており、前年同期比6%の増 加。1992年から2006年の間の年間平均増加率が2.8%であったところ、2007年は5%増で推移しており、 良好な経済情勢を反映しているものと言える。
4.雇用情勢 (1)7月末時点での季調済失業率は4.4%と、前月(4.5%)比若干低下(雇用局公表値)。 (2)ルクセンブルク在住の労働人口は、2007年の7か月間で平均約4,300人増加(前年比2%増)している。 内8%に当たる約400人が求職状態にある。 (3)時間当たりの人件費は、第2四半期には前四半期比2.9%上昇。中でも建築セクターの上昇率が顕著 (3.3%増)。
5.インフレ、賃金 (1)消費者物価指数上昇率は、第1四半期2.1%、第2四半期2.0%、7月には1.9%と低下傾向にある。 (2)これは原油価格の低下(第1四半期には前四半期比2.1%減、第2四半期には2.7%減)が大きく影響して いると同時に、石油製品を除いた実質国内物価変動率も安定化傾向にあることに拠るものである。
6.対外関係 (1)2007年の5か月間、輸出額は7.2%増加。しかしながら2006年全体(前年比9.6%増)と比較すると増加 率は低下している。この増加は大部分がEU域内諸国への輸出増に拠るものである。 (2)アフリカ、アジア諸国への輸出はここ2年間で減少傾向にある。但し、同地域への輸出は、全体の輸出額の 10%を占めるに過ぎない。 (3)輸出商品のうち80%は金属工業製品であり、主にユーロ圏、中でもドイツ、ベルギー、フランス向けである。
*ルクセンブルク政府発表(政府広報(統計局・雇用局))や、各種報道などの公開情報を取りまとめたものです。
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