トップページ政治経済>経済分野 ルクセンブルク経済・金融情勢 2008年3月

 

ルクセンブルク経済・金融情勢 2008年3月

 

 【主要トピック】

・2008年3月のインフレ率は3.49%を記録。前月の3.06%から上昇。

・ユーロストックス50の指標の年平均約10%下落及びユーロ圏全体の2009年の経済成長率の2.2%から1.7%への減速は、2008、2009両年のルクセンブルクの経済成長見通しの下方修正につながる可能性あり。

・(ルクセンブルク所在の金融機関は投資銀行業務を主体としていないことなどにより、サブプライム問題の影響があまり大きくはなかったものの、)ルクセンブルク経済は、金融セクターに依存しており、国際的な金融グループのリストラクチュアリングの影響が、ルクセンブルクの子会社や支店に及ぶことはあり得る(ルクセンブルク銀行協会(ABBL)メイヤー会長のコメント)。

・3月1日に賃金を2.5%上昇させる物価スライド実施。

 

1.製造セクター

(1)国際的な原材料価格の値上がりに起因する農産物価格の急騰により、ルクセンブルク、ユー

  ロ圏双方で2008年も食料品生産価格は急激な上昇を続けている。

(2)2月後半の食料品生産価格の上昇は年率8%(飲料品を除くと14%の上昇)であり、食料

  品の消費者物価への影響は必至。

 

2.建設セクター

(1)2007年の建築確認件数は対前年比横ばいであるものの、非居住用建築物が約17%減少

  する一方、居住用建築物はかなり増加しており、住宅・アパートは特に2007年第4四半期

  で33%増加。

(2)2007年の建築確認を受けた住宅件数は、過去10年の年平均3,600件を上回る記録

  的件数である約5,000件。

(3)建築確認を受けた住宅件数の増加は、ルクセンブルク市(対前年200件減)を除く全国的

  な傾向。

 

3.金融セクター

(1)2007年の銀行部門の雇用は前年の5.2%増に引き続き5.9%増となっており、これ

  は2005年来の業容拡大に関連。他方、2008年の見通しとして、銀行業績は現下の金融

  危機の影響が続き、雇用の減速が予想される。

(2)本年1月以降、金融機関は国際会計基準に基づく共通欧州FINREP枠組みで貸借対照表

  及び損益計算書を報告することが義務づけられたことにより、銀行資産残高の公表はしばらく

  なし。

(3)ルクセンブルクに置かれている銀行数は、2008年3月末現在156行で前月と変わら

  ず。

(4)投資信託残高は、2007年2月末現在1兆9,628億ユーロ、前月比0.60%増。こ

  れは、主として新興市場資本に投資する投資信託及び高品質な債権に投資する投資信託による

  もの。

 

4.雇用情勢

(1)季節調整済み失業率は、2008年3月末現在4.1%。

(2)3月1日に賃金を2.5%上昇させる物価スライド実施。

 

5.インフレ

(1)3月のインフレ率は3.49%であり、2000年11月の3.7%以来の高レベル。その

  内訳は、石油価格(寄与分1.35パーセンテージ・ポイント)及び食料価格(同0.82パ

  ーセンテージ・ポイント)に加え、3月1日の物価スライド実施に伴う賃上げ・サービス価格

  増等(同0.98パーセンテージ・ポイント)となっており、他のサービス分野においても価

  格上昇が今後数か月見込まれる。

(2)サービス分野の3月におけるインフレ率上位は、耐久娯楽用品の修理(10.2%)、家庭

  用品の修理(5.7%)など。

 

※ ルクセンブルク政府機関(統計局等)の公表資料や各種報道等の公開情報を取りまとめたものです。

 

ページトップへ戻る

 

Copyright (C): Ambassade du Japon au Luxembourg | Legal Matters | About Accessibility | Privacy Policy