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ルクセンブルク経済・金融情勢 2008年4月

 

【主要トピック】

・2008年4月のインフレ率は3.48%を記録。前月(3.49%)から横ばい。

・2007年のGDP成長率は4.6%であり、同年第3四半期までのデータが相当程度見直されたことにより当初予想(5%)を下回った。

・このGDP成長率の下方修正は、主として金融、商業両セクターの業績悪化に起因する。

・雇用情勢は経済情勢と概ね1年のタイムラグがある。GDP成長率は2006年がピークであったが、国内雇用は2007年末も加速し続けた。

・2007年全体では、金融、商業両セクターの業績がGDP成長率の概ね3分の2を生み出した。

・製造・建設セクターも控えめながら同年第3、第4両四半期の成長に貢献した。

 

1.製造セクター

(1)2008年1、2両月の工業生産高は対前年比約2%減少し、鉄鋼製品を含む中間品及び消

  費財に影響(同5%減少)。

(2)受注状況に関して実施された調査の全体的な結果は、長期的には平均前後に留まっており、

  中期的には、生産高について上方、下方いずれの特筆すべき傾向もまだ現れていない。

 

2.建設セクター

(1)2008年1、2両月の竣工件数は対前年比約1%減少したが、むしろ好天に恵まれた前年

  第1四半期が例外的な高水準であった。

(2)2008年3月以降の見通しは、少なくとも次の3つの理由から、やや懸念されている。 

  (ⅰ)受注状況に関して実施された調査結果が2月から悪化しており、4月には2003年以

    来、最低の水準に達した。

  (ⅱ)確定した受注は、月数でみると低下し続け、4月には4.7か月まで落ち込んだ。 

  (ⅲ)建設業者の概ね4社中1社は、4月の需要が不十分であると考えている(10年前は

    10社中1社であった)。

 

3.金融セクター

(1)保険業の業績は、金融市場の混乱による困難な状況から、2007年後半は芳しくなかっ

  た。

(2)本年1月以降、金融機関は国際会計基準に基づく共通欧州FINREP枠組みで貸借対照表

  及び損益計算書を報告することが義務づけられたことにより、銀行資産残高の公表はしばらく

  なし。

(3)ルクセンブルクに置かれている銀行数は、2008年4月末現在155行で前月比1行減。

(4)投資信託残高は、2008年3月末現在1兆8,954億ユーロ、前月比3.43%減。こ

  れは、主として金融市場の影響による。投資信託残高の減少を資本別にみると、欧州資本では

  4.09%、米国資本では6.50%、日本資本では7.83%となっている。

 

4.雇用情勢

(1)季節調整済み失業率は、2008年4月末現在4.2%。

(2)2007年の国内雇用は、4.2%増加(前年は3.7%)したものの、2008年の雇用

  は、経済成長が2006年にピークを過ぎたのに従って、減少することが予想される。

 

5.インフレ

(1)4月のインフレ率は、3.48%。

(2)3月1日に賃金を2.5%上昇させる物価スライドが実施されたが、6月に一定以上のイン

  フレ率になれば、2009年3月1日に再度物価スライドが実施されることになる。

 

※ルクセンブルク政府機関(統計局等)の公表資料や各種報道等の公開情報を取りまとめたものです。

 

 

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