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ルクセンブルク経済・金融情勢 2008年5月
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【主要トピック】 ・5月のインフレ率は3.98%で、4月の3.48%から上昇。 ・「物価安定は、ユーロシステムの主要な目標である。しかし、ユーロシステムには、ユーロ圏各国間の格差を減少させうる手段は何もない。したがって、過剰なインフレ格差の要因を特定するのは、ユーロ圏各国のなすべきことである。」(メルシュ・ルクセンブルク中銀総裁のコメント)
1.製造セクター (1)工業生産は、2008年第1四半期、引き続き回復を続けた。この活力は短期的には好ましいものではあるが、 2008年初の生産高の水準は、1年前に比べてほんの僅か上昇したに過ぎず、新規受注は、対前年同期比で 7%以上下落した。 (2)新規受注の落込みは、すべての生産部門(中間財、消費財、生活必需品)に及んでいるため、より一層懸念さ れる。
2.建設セクター (1)建設セクターの生産高は、3四半期連続で減少した後、2008年第1四半期に、建築、土木両部門共に回復し た。 (2)1労働日当たりの生産高は、例外的に好調であった前年第1四半期に比べ約2%低下した。5月までに利用 可能な結果に基づく経済調査によると、受注の落込み傾向が確認されており、いずれは生産活動に影響を及ぼ すことになる。
3.金融セクター (1)銀行業の経常利益は、3月末時点で1,246百万ユーロと見込まれ、対前年同月末(1,637百万ユーロ)比 で23.9%減少。 (2)2008年第1四半期の金融市場は、極端なボラティリティが特徴であった。 (3)本年1月以降、金融機関は国際会計基準に基づく共通欧州FINREP枠組みで貸借対照表及び損益計算書を 報告することが義務づけられたことにより、銀行資産残高の公表はしばらくない。 (4)ルクセンブルクに置かれている銀行数は、2008年4月末現在155行で増減なし。 (5)投資信託残高は、2008年4月末現在1兆9,640億ユーロで、対前月比3.62%増。その内訳は、金融市 場の影響による2.67%増及び純資本投資による0.95%増。
4.雇用情勢 (1)失業率は2008年初以来増加し始めており、5月の季節調整済み失業率は4.3%(1月は4.2%)。 (2)雇用の2007年の年間増加率は5%以上と依然として高かったものの、主に金融セクターの減速により、既に ピークを越えたと思われる。景気循環により敏速に呼応する一時的雇用は2007年初以来、既に減速してきて いる。 (3)ルクセンブルクにおいて、雇用の増加率がまだ3%以上であるのに、失業が増加しているのは不思議ではな い。雇用市場の開放性のため、失業率を押し下げるのに必要な雇用の増加は、過去数十年間で平均4.0%で あり、時間の経過とともに僅かながら上向きのトレンドにある。 (4)ルクセンブルクを除くグランド・レジオン(注:ルクセンブルクを中心に、ルクセンブルクに隣接したフランス(ロレ ーヌ地方)、ドイツ(ラインラント・プファルツ、ザールラント両州)及びベルギー(ワロン地方)から構成される広域 圏)における2006年の失業率は、9.5%(前年は10.1%)であった。
5.インフレ 5月のインフレ率は、3.98%。
※ ルクセンブルク政府機関(統計局等)の公表資料や各種報道等の公開情報を取りまとめたものです。
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