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ルクセンブルク経済・金融情勢 2008年7月

 

【主要トピック】

7月のインフレ率は4.90%で、6月の4.30%から上昇

 

1.製造セクター

(1)2008年上半期の工業生産高は、前年上半期と同水準の一方で、2008年第2四半期の工業生産高は、6

 月時点の暫定データによると若干の改善が見られ、主として消費財の生産並びにエネルギーの生産及び供給の

 増加により、対前年同期比で約2%上昇。また、鉄鋼生産も、本年当初5ヶ月間でみると約2%増加。

(2)しかしながら2008年に停滞している産業セクターもいくつかある(食品2%減、飲料・タバコ5%減、衣料品

 2%減、木工品16%減、製紙・出版7%減、プラスチック加工15%減、ガラス8%減、輸送機器6%減)。

(3)製造業者は、受注が大幅に減少しているため、2008年第3四半期にはさらに悪化すると見ている。

 

2.建設セクター

(1)2008年第2四半期の景気動向調査によれば、建設会社トップは懸念を表明。全般的な傾向は悲観的ではあ

 るが、7、8両月の同調査結果では回復傾向も見られる。

(2)プラス面では、受注状況が7月に大きく改善し、最近の生産動向に関するマインドは、7月以前の受注落込み

 によってわずかに影響を受けたにすぎない。

(3)マイナス面では、確定受注件数を月数でみると、8月は4.5ヶ月分に低下(平均5.5ヶ月分)。

(4)受注の減少を予想する業者数は、6月から急増し、2008年8月には31%に達した(前年同月は15%)。

 

3.金融セクター

(1)銀行資産残高は、2008年3月末現在、9,053億ユーロで、前月比約1%減少。

(2)2008年第2四半期の銀行業の引当金計上前利益は、2008年6月末時点で32億4,400万ユーロ、前年

 同期の33億500万ユーロから1.8%減少。

(3)ルクセンブルクの金融機関の利益減少幅が小さい理由として、サブプライム関連分野からの影響が副次的で

 あることが挙げられるものの、有価証券の価格変動を大きく反映するその他の純利益は年間で6億1,000万ユ

 ーロ減少。株価下落も資産管理業務に影響し、2007年6月末時点と比較して、手数料収入が5%減少。

(4)サブプライム危機に関わらず、ルクセンブルクの銀行業の財政状況は堅調であり、利益の創出能力と財政基

 盤の強化を維持している。預金の保全が問題となるようなルクセンブルクの銀行は皆無である。

(5)ルクセンブルクに置かれている銀行数は、2008年7月末現在153行で前月と変わらず。

(6)投資信託残高は、2008年6月末現在1兆9,020億ユーロで、対前月比4.75%減。その内訳は、金融市

 場の影響による3.98%減及び純資本投資の0.77%減。

 

4.雇用情勢

(1)7月の季節調整済み失業率は4.4%(1月は4.2%)。

(2)2008年第2四半期における銀行による雇用は活発で、年間で6.2%上昇。銀行業では利益が減少している

 が、少なくとも総合的な雇用政策はその影響をまだ受けていない。

(3)就業支援スキーム該当者を含む広義の失業率は、4月以降の減少傾向に反した動きをしている。この一因と

 しては、次の2つの現象がある。一つは、ADEM(雇用局)に登録している障害者等の人数が大きく増加している

 ことである。二つ目は、就業支援スキーム該当者数がますます急速に落ち込んでいることである。

 

5.インフレ

7月のインフレ率は、4.90%。なお、2008年は3.9%、2009年は3.0%と予測。

 

※ ルクセンブルク政府機関(統計局等)の公表資料や各種報道等の公開情報を取りまとめたものです。

 

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