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ルクセンブルク経済・金融情勢 2008年9月

 

【主要トピック】

・金融危機で信用危機に陥ったフォルティス、デクシア両グループの当国現地法人に対し、当国政府が公的資金による資本注入を決定。

・ルクセンブルク中央銀行、2008年上半期マクロ経済報告を公表(9月12日)。本年GDP成長率は減速し、第1四半期は対前年同期比2.5%。本年第2、3、4各四半期の成長率予測を下方修正(それぞれ4.8%から4.6%、4.2%から3.4%、3.8%から3.5%)。

・ルクセンブルク統計局の発表(10月13日)によると、第2四半期のGDP成長率は対前年同期比2.8%。また、第1四半期のGDP成長率は2.5%から1.2%に下方修正。

 

1.製造セクター

2008年の当初7か月を前年と比べると、生産が0.3%減少し、停滞に近い状態にある。(最近及び今後の)生産活動と9月までの受注状況について悲観的な見方がなされており、残念ながら本年末までは状況が好転する見込みなし。

 

2.建設セクター

新規住宅ローン承認件数は、2008年上半期は、歴史的な高水準であったものの減少傾向にあり、前年同期比で約4%減少。なお、欧州住宅市場減速の影響と金融危機により、銀行は貸出基準を厳しくし、家計は住宅購入の決定を見送っている。2008年7月までの住宅ローン金利の引き上げがローン費用を押し上げた。

 

3.金融セクター

(1)銀行資産残高は、2008年8月末現在、9,514億ユーロ。

(2)ルクセンブルクに置かれている銀行数は、2008年9月末現在154行で、対前月比1行増。

(3)投資信託残高は、2008年8月末現在1兆9,179億ユーロで、対前月比1.14%増(その内訳:金融市場の

 影響(価格変動等)による0.97%増及び純資本投資による0.17%増)。

(4)欧州の一部及び米国の株式市場に若干の好転が見られたこと、ドルが対ユーロで約6%上昇したことにより、

 8月のルクセンブルクの株式投資信託全体の純資産は増加した。

(5)債券市場では、原油価格の低下及び経済情勢の悪化により、投資家のインフレ予測が後退し、債券価格が上

 昇したため、8月の公社債投資信託の純資産は前月より増加した。ドルの対ユーロ上昇もこの傾向を支えた。

 

雇用情勢

(1)9月の季節調整済み失業率は4.4%で前3ヵ月と変わらず(就業支援スキーム該当者を含む広義の失業率

 は5.7%)。

(2)本年初に失業率は下げ止まっており、雇用の低迷が予測されていることから、今後、失業率は増加の見込

 み。

 

インフレ

(1)9月のインフレ率は、4.0%で8月と変わらず。

(2)2008年第3四半期の食料品価格は年率6.0%を超える上昇(9月、穀物価格は対前年同月比15%、麺類

 は同28%上昇など)。他方、乳製品価格は7月から下落、魚介類価格は1月から安定しており、インフレ率が低

 い商品もある(なお、6月以来、世界の農産品価格は13%下落しており、今後消費者物価に好影響を与えると考

 えられる)。

 

※ ルクセンブルク政府機関(統計局等)の公表資料や各種報道等の公開情報を取りまとめたもの。

 

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