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ルクセンブルク経済・金融情勢 2010年6月
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【トピック】 ・ 統計局、物価上昇率を基準にしたスライド指数が基準値を超えたため、7月1日に賃金物価スライド制が適用され賃金が2.5%上昇すると発表。 ・ ギオーム皇太子殿下、経済ミッションのため訪中(5月30日~6月3日)。 ・ 陶器メーカーのビレロイ&ボッホ、200年の歴史のあるルクセンブルクの工場を6月末に閉鎖。これに伴い118名が失業。 ・ アルセロール・ミタル社、欧州委員会による鉄鋼メーカーカルテルへの制裁金として、グループ全体で3億1,500万ユーロの支払いを命じられる。 ・ 統計局、ルクセンブルクの2010年1月1日現在の主要企業リストを発表。上位3社はアルセロール・ミタル社(従業員数6,170名)、小売業のカクタス(同3,900名)、金融のデクシアBIL(同3,830名)で前年と変わらず。
1. 製造及び建設セクター 製造セクター 工業製品価格が上昇しており、ルクセンブルクでは09年12月から10年5月の間に7%上昇(ユーロ圏平均3%)。ルクセンブルクでの価格上昇が大きいのは、鉄鋼製品価格が同時期に34%上がったため。 近年、鉄鋼製品の価格と生産量が同時に上昇しており、この価格上昇はルクセンブルクの競争力阻害要因とはならない。また、10年3月から4月にかけて鉄鋼の需要が大幅に増加したことは、鉄鋼が工業生産の2割を占めるルクセンブルクには朗報。
建設セクター 10年第1四半期は、居住用建築が前年同期に比べ増加、非居住用建築も比較的高水準だった前年レベルを維持。全体では建築許可件数(容量ベース)は前年同期比1割増。この傾向が通年続くかどうかは判断し難いが、少なくとも第1四半期の業績は他の欧州国と比べると良好。
2. 金融セクター (1)銀行資産残高は,10年5月末現在8,089億ユーロ。 (2)当国所在の銀行数は,10年6月末現在149行。 (3)投資信託残高は,10年5月末現在1兆9,924億ユーロで,前月比1.02%減(内訳:金融市場の影響0.28%減及び純資本投資0.74%減)で13か月連続の増加が止まる。多くの株式投資信託の基準価額が下がった一方、一部のユーロ圏加盟国の国債問題により投資家の安全資産選好が高まったため、公社債投資信託の基準価額は上昇。
3. 雇用情勢 (1)10年6月の季節調整済み失業率は6.1%(前月同6.0%)。 (2)同年第1四半期の国内雇用総数は33万2,500名で、前年同期比で0.5%増加したが、増加率は過去10年の平均3.8%の雇用増に比べ著しく低いまま。 (3)シュミット雇用・労働大臣が金融部門の雇用のために10年3月に立ち上げた求職サイト「Fit4Job」は既に76件の面接、25名の就職につながるなど好実績。
4. インフレ 10年6月のインフレ率は年率1.9%(前月同2.4%)。
※ 当国政府機関(統計局等)の公表資料や各種報道等の公開情報を取りまとめたもの。
(了)
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