ルクセンブルク経済・金融情勢 (2010年7月)

 

【トピック】

           アルセロール・ミタル社(本社:ルクセンブルク)、欧州委員会より鉄鋼カルテルを組んでいたとしてグループ全体で3億1,500万ユーロの制裁金を科される。

           欧州銀行監督者委員会によるストレステスト対象となった国立貯蓄銀行及びライファイセン銀行、ともに資本不足を指摘されず。

           ルクセンブルク統計局によると、10年第1四半期のGDP(速報値)は対前年比2.9%増、対前年同期比0.3%減。

           物価上昇率が基準値を超えたため、7月1日に賃金物価スライド制が実施され、給与及び年金が2.5%上昇。

 

1.        製造及び建設セクター  

製造セクター

(1)10年1〜5か月の工業生産は前年同期比約20%増(鉄鋼は40%増、その他の産業は15%増)。

(2)7月の景気動向調査によると、最近の生産の見通しは大幅に改善(6月28%、7月51%)、海外受注が好調と回答する企業も増加(6月1%、7月9%)。雇用の見通しは若干改善(6月34%、7月36%)。

 

建設セクター

10年1〜5月の建設セクターの生産は前年比0.5%増加。7月の景気動向調査の結果が比較的良好であることもあり、夏季の業績も前年より良好の見通し。同結果によると、生産阻害要因が無いと回答した企業が増加(6月30%、7月33%)し、価格の上昇を見込む企業も増加(6月5%、7月9%)。他方、雇用の増加を予測する企業は6月に引き続き無かった。

 

2.        金融セクター

(1)銀行資産残高は10年6月末現在8,136億ユーロ。

(2)当国所在の銀行数は10年7月末現在149行。

(3)投資信託残高は10年6月末現在2兆106億ユーロで、前月比0.91%増(内訳:金融市場の影響0.03%減及び純資本投資0.94%増)。同月の株式投資信託は、アジア、ラ米株を除き市場悪化の影響が見られるものの、純資本投資は総じて増加。公社債投資信託については、ユーロ建て投信では純資本投資の減少及び市場悪化が見られる一方、ドル建て投信では純資本投資の増加及び市場の改善が見られた。

(4)ルクセンブルク中央銀行によると、10年6月末現在の金融セクター就業者数(暫定値)は26,275名で前期比129名減、前年同期比507名減。

 

3.        雇用情勢

(1)10年7月の季節調整済み失業率は6.1%で前月と変わらず。

(2)シュミット雇用・労働大臣は雇用局の改革について発言。局員40名の増員採用、金融セクターの雇用で成功した求職サイト「Fit4Job」を建設、商業両セクター向けにも立ち上げることなどが検討されている模様。

 

4.        インフレ

10年7月のインフレ率は年率2.5%(前月同1.9%)。同率は08年10月以降最高。

 

           当国政府機関(統計局等)の公表資料や各種報道等の公開情報を取りまとめたもの。

 

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