ルクセンブルク経済・金融情勢 (2010年8月)

 

【トピック】

   当国政府とエストニア政府は,3千万ユーロ相当のCO2排出権を移転させる契約に署名。

   ユンカー首相はロシアを公式実務訪問。フリーデン財務大臣が同行。ユンカー首相は,メドヴェージェフ大統領が目指すロシア近代化に資するルクセンブルク側の提案が含まれた覚書を同大統領に手交し,金融セクター,製鉄,エネルギー,自動車及び新技術の分野で協力することを提案。両国の金融監視当局間の協力強化の協定を締結。また,配当課税・税務当局間情報交換等に関する二重課税防止条約の改正について協議が進展。

 

1.   製造及び建設セクター

製造セクター

(1)当国製造セクターの生産性(労働者1名当たりの工業生産)は、08年8月から09年3月にかけてマイナス30%の落ち込みを示した。同生産性はその後回復に転じ、09年4月から10年4月にかけて35%の伸びを示している。内訳は生産高の増加(30%増)及び人員整理(▲5%)。

(2)8月の景気動向調査によると、最近の生産の傾向を「増加傾向」と回答した企業は7月に引き続き過半を占める一方(7月51%、8月52%)、在庫が「過大」と回答する企業が急増(7月9%、8月33%)。雇用の見通しについては、「拡大する」と回答した企業が急減(7月36%、8月9%)。

 

建設セクター

10年上半期のユーロ圏全体における建設セクターの生産は、厳冬と景気後退の影響により年率6%減のマイナス成長を記録したが、フィンランドと当国は例外的にマイナス成長を免れた。

8月の景気動向調査によると、生産阻害要因が「無い」と回答した企業は減少(7月33%、8月20%)し、「ある」と回答した企業の約半数(単数回答)が「需要の不足」をその原因として挙げた。価格の下落を見込む企業は減少(7月56%、8月47%)。他方、雇用については、7月に引き続き「安定的」と回答した企業が大部分(7月85%、8月87%)。

 

2.   金融セクター

(1)銀行資産残高は10年7月末現在7,778億ユーロ。

(2)当国所在の銀行数は10年8月末現在149行。

(3)投資信託残高は10年8月末現在2兆069億ユーロで、前月比2.46%増(内訳:金融市場の影響0.91%増及び純資本投資0.94%増)。同月の株式投資信託の大部分について、景気後退及びリスク回避による株式市況悪化の影響が見られた。ただし、一部のアジア株式投資信託及びアジア公社債投資信託については例外が見受けられた。

 

3.   雇用情勢

(1)10年8月の季節調整済み失業率は6.1%で前月と変わらず。

(2)求人倍率は09年末(約0.08倍)より大幅に改善するも、10年8月現在0.19倍。

(3)当国企業46社が2,938名分の部分失業給付を申請し、政府に受理された。

 

4.   インフレ

10年8月のインフレ率は年率2.2%(前月同2.5%)。

 

   当国政府機関(統計局等)の公表資料や各種報道等の公開情報を取りまとめたもの。

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