≪ルクセンブルク中央銀行(BCL)2011年第2回マクロ経済報告≫
1.インフレ
2010年に引き続き,2011年上半期もインフレが進行し,2011年4月には3.7%(当国基準消費者物価指数)に達した。7月には2.9%となったが,この上昇率の低下は一時的なものと見られる。BCLは,今年後半は平均約3.2%と高い水準で推移し,2012年第1四半期には石油価格が安定し2.4%程度に低下するものの,その後はまた上昇するものと予測している。政府・労働組合との合意により,賃金物価自動スライドは2011年10月に延期されているが,同合意がなければ2011年5月の時点で実施されているはずであった。BCLのインフレ予測に基づくと,次回のスライドの実施は2012年4月が見込まれる。
2.製造
2010年は回復基調にあったが,2011年6月の生産高が2008年8月より15%低い水準になるなど,2011年前半は低調である。
3.建設
2010年12月の大雪の反動で,2011年1・2月の業況は好調だった。住宅建築許可件数は2010年第4四半期に21.0%減少したが,2011年第1四半期は13.1%増加した。
4.雇用・失業
2011年1~7月の季節調整済失業率は平均5.9%となっている。推計によると7月の失業率は6.2%であり,同月の求職者の増加がうかがえる。雇用局(ADEM)の登録を受けている失業者数も14,429人にのぼる(前月は13,314人)。この理由としては,学業を終えた若者が通常より早くADEMに登録し,若者の登録者数が増加したことや,異常気象(冷夏により外食・ホテル産業が不調等)などが考えられるが,決定的な原因はまだ明らかではない。
5.金融
(1)2011年6月末時点のルクセンブルクの銀行従業員数は26,153人で,同年第1四半期より65人減少した。この減少は55人を雇用していた銀行1行の閉鎖が主な原因である。2008年9月,銀行従業員数が27,269人であったときと比較すると3年間で1,116人減少したことになる。
(2)銀行数は2010年7月末から2011年7月末までの1年間に149行から143行に減少。
6.経済成長率
2011年6月のBCLマクロ経済予測(2010年度年次報告書参照)によると,2011年の実質GDP成長は3.7~4.3%,2012年は2011年第2四半期からの成長の減速を織り込み2.5~3.5%,2013年は2.9~4.3%と推計されている。金融市場の混乱のため,2011年及び2012年の成長予測は下方修正される可能性がある。9月の予測でも,2011年年末および2012年初頭のユーロ圏経済は減速するとしている。
(詳細はルクセンブルク中央銀行HP(www.bcl.lu)内マクロ経済報告をご参照下さい。)
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