トップページ>政治経済>政治経済アーカイブ>四半期の動き 2004年第4四半期
ルクセンブルク情勢(2004年第4四半期10-12月) |
1.概況 |
【日・ルクセンブルク関係】 ●前四半期の日・EUトロイカ外相会談(日本側:川口外相(当時))引き続き、10月9日に開催されたASEM5(ハノイ)の機会を利用して日・ルクセンブルク外相会談(日本側:町村外相)が行われた。 【内政】 ●EU議長国期間をひかえ、リスボン戦略等を含め国内的な広報戦略的な活動(パネル・シンポジウム等)が散見された。 ●欧州憲法条約の批准手続に関し、国民投票(レファレンダム)の日付が2005年7月10日に行うことが公表された。 【外交】 ●前期に引き続き、アッセルボルン新外相が精力的に欧州域内外を訪問し、05年前半のEU議長国期間に向けて準備作業を行った。また、EUトロイカにおける次期議長国の外相として各種トロイカ協議にも出席するなど、「外相」としての活躍が報道等を通して国民の目に触れることが多くなった。 ●ユンカー首相も同様に、新規加盟国を含むEU域内諸国はもとより新規加盟候補国(ルーマニア・ブルガリア)等についても積極的に対話の緊密化を図り、EU議長国に向けた助走期間として精力的な外交を推進した。 ●ブッシュ米大統領の再選、二期目確定に際し、ユンカー首相は、歓迎の意を表するとともに、大西洋関係の強化を希望すると述べた。 ●対中国外交についても緊密化を増しており、ユンカー首相の公式実務訪問を行った他、黄菊中国副首相のルクセンブルク公式実務訪問があった。経済分野での関係強化も主要な視点の一つとされた。 ●ユンカー首相は、ASEM5(於ハノイ)において、バルケネンデ・オランダ首相が健康上の理由で欠席したため、次期議長国として、欧州側の代表を務めた。 【経済】 ●インフレ率: 10月1日現在で2.5%、11月1日現在で2.4%。 ●失業率: 10月の失業率は4.3%、11月の失業率は4.5%となり、上昇基調にある。 ●銀行資産高:10月31日現在6888億ユーロに対し、11月30日現在6930億ユーロ、12月31日現在6951億ユーロと均衡状態にある。 ●投資信託資産高:10月31日現在、1兆721億ユーロ、11月30日現在1兆908億ユーロ、12月31日現在、1兆1062億ユーロと増加傾向にある。 |
2.主要トピック (1)中国との関係緊密化 <ユンカー首相の中国公式実務訪問>(ルクセンブルク政府公式サイトより) ユンカー首相は、96年来5回目の訪問として、クレッケ経済相他通商団と共に、11月8日から5日間の日程にて中国を訪問した。上海において、浦東開発地区について緊密な意見交換を行い、また、鉄鋼関連新合弁会社の設立等、ルクセンブルクの従来からの主要産業分野の維持・強化に結びつく活動が見られた。また、訪問先の香港においては、経済・財政関係についても意見交換を行い、北京でも温家宝首相と政治対話を行った他、中国人民銀行総裁や財務大臣と会談し、準備通貨としてのユーロの役割等について意見交換を行った。 <黄菊副首相のルクセンブルク公式実務訪問>(ルクセンブルク政府公式サイトより)
11月14,15日、黄菊副首相は、外務副大臣、通商副大臣、人民銀行副総裁を率いて公式実務訪問を行った。ユンカー首相の中国訪問の直後のタイミングから、ルクセンブルク・中国関係の強化を印象づける訪問となった。内容としては、政治対話の他、経済、財政関係の意見交換を行い、ルクセンブルクの衛星放送関連会社や鉄鋼関連会社の視察も行われた。
11月10日、政府は、欧州憲法条約批准手続については、国民投票(レファレンダム)を2005年7月10日に実施することを公表した。
10月9日、ASEM5(於ハノイ)の機会を利用してアッセルボルン副首相兼外務・移民大臣と町村外務大臣の間で、日・ルクセンブルク外相会談が実現した。 ルクセンブルクEU議長国下の主要課題については、大枠については3年間6議長国にまたがる多年度議長国戦略プログラム(マルチ・アニュアル・ストラテジック・プログラム)と2005年通年での戦略を定めたルクセンブルク議長国・英国議長国による通年政策に規定されている。主な論点は、次のとおり。 <EU域内政策分野> ①リスボン戦略の中間見直し ②安定成長協定改革 ③2007-2013年中期財政計画の政治的合意達成 <拡大> ①ブルガリアとルーマニアの加盟条約 ②クロアチアとの加盟交渉開始 ③トルコ <対外政策> ①マルチラテラリズムの強化(国連改革等にも関係) ②WTO、DDA
③ESDP (1)政治 【10月】 12日 ・国民議会開会。 ・リスボン戦略に係るシンポジウム(クレッケ経済大臣、ビルツェン労働大臣)。 20日 ・国民議会への2005年予算案の提出。 【11月】
10日 ・欧州憲法条約に係る国民投票(レファレンダム)を2005年7月10日に実施することを公表。 【10月】 1日 ・アッセルボルン副首相兼外務大臣フランス公式実務訪問。 3日 ・ユンカー首相、米国(ワシントン訪問)、IMF・世銀会議出席。 ・シルツ開発協力大臣、カーボ・ベルデ訪問 5日 ・シュミット外務担当大臣、非公式閣僚会議"Communicating Europe"出席、於アムステルダム 7日 ・ユンカー首相、アッセルボルン外相、ASEM5出席、於ハノイ。 11日 ・ユンカー首相、ラーモノフ・タジキスタン大統領と首相官邸にて会談。 ・アッセルボルン外相、EU総務・対外関係理に出席。 ・アッセルボルン外相、オユランド・エストニア外相と会談。 12日 ・EUトロイカのスーダン訪問(アッセルボルン外相)。 ・エニュレ欧州担当大臣のルクセンブルク公式実務訪問 13日 ・フリーデン国防大臣、NATO理事会出席、ルーマニア。 19日 ・アッセルボルン外相、EU・ロシア・トロイカ会合に参加、於ハーグ。 20日 ・ケレンベルガー国際赤十字社代表、ルクセンブルク訪問。 ・アッセルボルン外相、マドリード公式実務訪問。 ・ユンカー首相、クレッケ経済相、ユーロ・グループ、ECOFIN出席。 25日 ・フリーデン法相、シュミット外務担当大臣、EU司法・内務理事会出席。 26日 ・アッセルボルン外相、エジプト及びパレスチナ自治区訪問。 ・シルツ開発協力大臣、非公式開発協力相理事会に出席。 ・ユンカー首相、バローゾ欧州委員会委員長と会談、於ストラスブール。 27日 ・エムシス・ラトビア首相のルクセンブルク公式実務訪問、ユンカー首相と会談。 28日 ・ユンカー首相、クロアチアを公式実務訪問 29日 ・ユンカー首相、アッセルボルン外相、シュミット外務担当大臣、欧州憲法条約署名式(於ローマ)参加。 【11月】 3日 ・アッセルボルン外相、シュミット外務担当大臣、EU総務対外関係理出席。 4・5日 ・ユンカー首相、アッセルボルン外相、シュミット外務担当大臣、欧州理事会出席。 8-11日 ・ユンカー首相、中国を公式実務訪問。 8日 ・シルツ開発協力大臣、EU・ECOWASトロイカ出席(於ガーナ)。 11日 ・ナバロ・スペイン欧州担当大臣のルクセンブルク公式実務訪問。 12日 ・アッセルボルン外相、アラファト議長葬儀に参列(於カイロ)。 14日 ・黄菊中国副首相のルクセンブルク公式実務訪問。 15日 ・コンラッドOSCE特別代表の訪問。 ・ユンカー首相、フェアホイゲン拡大担当欧州委員と会談。 15・16日 ・アッセルボルン外相、ベオグラード、プリシュティナ公式実務訪問。 16日 ・シュミット外務担当大臣、ポルトガルを公式実務訪問。 17日 ・モリヴィアティス・ギリシャ外相のルクセンブルク訪問。 ・ユンカー首相、サナーデル・クロアチア首相と会談。 ・エルドアン・トルコ首相の公式実務訪問。 18日 ・ボレル欧州議会議長の公式実務訪問。 19日 ・ユンカー首相、ヒュブネル地域政策担当欧州委員と会談。 ・アッセルボルン外相、EU・大湖地域トロイカ会合へ出席。 22日 ・ユンカー首相、チェッコ及びハンガリー公式実務訪問。 23日 ・フリーデン法相、スロバキア公式実務訪問。 24日 ・アッセルボルン外相、EU・トルコ・トロイカ会合に出席。 ・アブダラIIヨルダン国王のルクセンブルク訪問。 25日 ・クレッケ経済大臣、EU競争理事会に出席。 ・クネバ・ブルガリア欧州担当大臣のルクセンブルク訪問。 26日 ・ウィーズラー公共事業大臣、仏語圏サミットに出席(於、ブルキナ・ファソ) 28日 ・クレッケ経済相、非公式EUエネルギー・技術・環境理事会出席。 29日 ・シュミット外務担当大臣、ドイツ(ベルリン)公式実務訪問。 ・アッセルボルン外相、ユーロ・メッド会合に出席。 【12月】 1日 ・ルクセンブルク・ブルガリア社会保障協力協定の署名。 2日 ・フリーデン法相、シュミット外務担当大臣、フラッティーニ自由・安全・司法担当欧州委員と会談。 ・ソラナCFSP上級代表のルクセンブルク訪問、ユンカー首相、アッセルボルン外相と会談。 6日 ・デフリース・EUテロ対策調整官のルクセンブルク訪問、フリーデン法相と会談。 ・ユンカー首相、クレッケ経済相、ユーログループ及びECOFIN出席。 ・アッセルボルン外相、OSCE外相理事会出席。 7日 ・ユンカー首相、ルーマニア公式実務訪問。 8日 ・ルベルス国連難民高等弁務官のルクセンブルク訪問。」 ・アッセルボルン外相、NATO閣僚理事会に出席。 ・ストロー英国外相の訪問。 13日 ・アッセルボルン外相、EU総務・対外関係理事会に出席。 ・フリーデン法相、ポーランド公式実務訪問。 ・ユンカー首相、フィンランド訪問 14日 ・ユンカー首相、プーチン・ロシア大統領と会談。 15日 ・ラスムセン・デンマーク首相のルクセンブルク訪問。 ・アルデンヌの戦い開始60周年記念。 16日 ・欧州理事会(ブリュッセル) 20日 ・アッセルボルン外相、パウエル国務長官、ライス特別補佐官と会談。 ・ユンカー首相、バローゾ欧州委員会委員長と会談。 21日 ・第二回合同閣議(ルクセンブルク・ベルギー)。 ・ルクセンブルクEU議長国優先課題の発表。 22日 ・アッセルボルン外相のオーストリア公式実務訪問。 24日 ・大公殿下のクリスマス・メッセージ。
31日 ・EU議長国の交代、ユンカー首相、バルケネンデ首相と会談。 【10月】 1日 ・賃金の物価スライド(2.5%)実施。 6日 ・クレッケ経済大臣、経団連(FEDIL)代表団と会談。 ・ルクセンブルクのIWC参加を閣議決定。 19日 ・ルックス環境大臣、グリーンピースと会談、京都議定書他について意見交換。 25日 ・統計局(STATEC)第二四半期景況報告。 【11月】 8日 ・帝人デュポン・フィルム社が従業員65人の人員削減を発表 9日 ・鉄鋼メーカー・アルセロール社が中国で自動車鋼板の合弁加工会社の操業開始。 13日 ・樹木の日 14日 ・ルクセンブルク経済競争力に関する「フォンタネ」報告書の提出(発表は30日) 14日 ・世界糖尿病デー、在ルクセンブルク協会設立。 20-24日 ・クレッケ経済大臣、商工会議所と共に、経済ミッションとしてア首連、カタール、クウェートを訪問。 27日 ・マネー・ローンダリング法、国会で可決 29日 ・統計局は2004年第一四半期の賃金上昇率が2.3%と発表。 30日 ・ルクセンブルク競争力レポートの発表。 ・対ルクセンブルク投資促進のためのポータルサイト開設。 【12月】 1日 ・東芝がルクセンブルク証券取引所への上場廃止を発表。 9日 ・2005年予算が無修正で国会を通過。 10日 ・GEファナック・オートメーションが1月に組織改正を行うと発表。 13日 ・ルクセンブルク中央銀行がGNP成長率を2004年が4.2%、2005年が3.8%と予想。
18日 ・移民の日 【11月】 9日 ・第18回学生フェアー(FIL) 11日 ・ギヨーム皇太子誕生日(23歳) 【12月】
9日 ・ユンカー首相誕生日(50歳)
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