トップページ政治経済>四半期の動き 2009年第2四半期

 

ルクセンブルク情勢(2009年第2四半期4-6月)

 

.概況

【内政】

●ユンカー首相、国民議会で所信表明演説(4/21)

 

●国民議会選挙実施(6/7)

 

【外交】

●ルクセンブルクでEU総務・対外関係理事会(4/27・28、6/15・16)

 

【経済】

●ルクセンブルク、経済協力開発機構(OECD)の公表した租税基準の履行状況報告で「グレーリスト」に掲載される(4/2)

 

●インフレ率  :4月0.3%、5月△0.3%、6月△0.3%

 

●失業率    :4月5.5%、5月5.7%、6月5.8%

 

●投資信託資産高:4月1兆5,929億ユーロ、5月1兆6,192億ユーロ、

   6月1兆6,312億ユーロ

 

.主要トピック

(1)ルクセンブルク、経済協力開発機構(OECD)の公表した租税基準の履行状況報告で「グレーリスト」に掲載される(4月2日)

 OECDはG20ロンドン・サミットのために提出した報告において、ルクセンブルクを「国際的に合意されている基準にコミットしたが、まだ十分な実行までには至っていないその他金融センター」(いわゆる「グレーリスト」)に分類。

(2)ルクセンブルク、OECD基準に適合した二重課税防止条約の整備を推進      

 5月以降ルクセンブルク政府は、新たにバーレーン、アルメニア両国と二重課税防止条約に署名し、米、蘭、仏及びデンマーク各国と二重課税防止条約の改正議定書に署名。5月23、24両日付当地紙ル・コティディアンによると、ルクセンブルク政府はOECD基準に適合した二重課税防止条約を12件早急に締結する考えを明らかにした(その後7月に達成)。

(3)ユンカー首相、国民議会で所信表明演説(4月21日)

ユンカー首相は、国民議会で経済・金融問題を中心テーマに、09年経済・社会・財

政状況に関する所信表明演説を行った。その中で特に、ルクセンブルクはタックス・ヘイブンではなく銀行秘匿を有する金融センターである、と述べ、また今後、産業多角化(物流、保健医療技術、環境技術)を果敢に推し進めると発言した。

(4)クレッケ経済・通商大臣、春の見本市開会式で演説(5月9日)

 輸出産業振興(時短勤務制度の活用や、企業に対する暫定助成、暫定保証両制度)、経済危機後の処方箋(物流、健康技術及び環境技術といった将来性のある業種に比重を置く経済多様化の継続)及びエネルギーの高効率化(環境面のみならず長期的な競争力向上の切り札)などを訴えた。

(5)国内一人目となる新型インフルエンザ感染者を確認(6月1日)

国内一人目の発症を受け、ルクセンブルク保健省は感染者および感染者と接触のあった者に対しワクチンによる治療を提供する旨明らかにし、また国民にうがい、手洗いなどの励行を呼びかけた。なお、6月末までに国内累計感染者数は6名となった。

(6)国民議会選挙実施(6月7日)

最大与党のキリスト教社会党(CSV)が2議席伸ばし26議席獲得、1918年以来の最大政党の座を守った(全議席数60)。与党第二党の社会労働党(LSAP)は1議席失い13議席となったものの第2党の座をキープ。キリスト教社会党と社会労働党による連立政権の継続が確実となった。その他の結果は、民主党(DP)9議席、緑の党(dei greng)7議席、民主改革党(ADR)4議席、左派連合(dei Lenk)1議席。

同日実施された欧州議会選挙では、ルクセンブルク全6議席のうちキリスト教社会党3名、社会労働党1名、民主党1名、緑の党1名が当選した。

  

.主な出来事

(1)内政

【4月】

21日 ユンカー首相、国民議会所信表明演説

【5月】

12日 雇用状況の悪化を理由に、ルクセンブルク市中心部にあるアルセロール・ミタル社本社前でデモ発生。約1500人の製鉄業労働者が参加 

【6月】

7日 ・国民議会選挙実施。第一党:キリスト教社会党(26議席)、第二党:社会労働党(13議席)

   ・欧州議会選挙実施。ルクセンブルク6議席のうち、キリスト教社会党3名、社会労働党1名、民主党1名、緑の党1名が当選

9日 大公、ユンカー(首相)を新内閣の組閣役(formateur)に指名

 

(2)外交・安全保障・EU

【4月】

3・4日 ユンカー首相、アッセルボルン副首相兼外相およびシルツ国防相、仏独国境のストラスブール及びケールで開催されたNATO首脳会合に出席

5日 ユンカー首相及びアッセルボルン副首相兼外相、プラハで行われた米EU非公式首脳会合に出席。世界経済、中東、アフガニスタン情勢等について意見交換

6日 マリのシディベ首相来訪。ユンカー首相と首脳会談。同行したウアンヌ外相はシルツ開発協力・人道援助大臣とトンブクトゥ文献の保全に関する協力文書に署名

17日 ユンカー首相、オーストリアを訪問。フィッシャー大統領及びファイマン首相らと経済・金融問題について意見交換・協議

22日 アッセルボルン副首相兼外相、シリア訪問。アサド大統領らと面談。二国間関係、中東情勢等について意見交換・協議

27・28日 ルクセンブルクでEU総務・対外関係理事会開催 

28日 ラヴロフ露外相来訪、ユンカー首相及びアッセルボルン副首相兼外相と二国間関係、EU・ロシア関係及び中東、バルカン等国際情勢について意見交換・協議

29日 ・ユンカー首相、ワルシャワでトゥスク・ポーランド首相と会談。ポーランドのユーロ導入等について意見交換・協議

    ・アッセルボルン副首相兼外相、マスカットで開催されたEU・GCC会合出席

【5月】

4日 サン=ヒュン・ソン国際刑事裁判所長来訪。アッセルボルン副首相兼外相及びシュミット外務・移民担当大臣と面談

7日 アッセルボルン副首相兼外相、EU東方パートナーシップ首脳会合(於プラハ)出席  

13日 アッセルボルン副首相兼外相、第14回EU・リオグループ閣僚会合出席(於プラハ)。エネルギー問題、世界経済・金融危機等について協議

18日 アッセルボルン副首相兼外相およびシルツ国防相、EU総務・対外関係理事会出席(於ブリュッセル)。リスボン条約の批准、経済・金融危機、EU・露関係等について協議

25日 ラオスのレンサヴァット副首相来訪。二国間関係、アジア情勢(タイ、ミャンマー、北朝鮮)について意見交換・協議

27日 エストニアのタエル欧州担当長官来訪。シュミット外務・移民担当相と欧州の諸懸案について意見交換・協議

27・28日 シルツ開発協力・人道援助大臣、OECDのDAC閣僚会合出席(於パリ)

【6月】

 3日 チェコのコホウト外相来訪。ユンカー首相、アッセルボルン副首相外相およびシルツ開発協力・人道援助大臣兼国防大臣と二国間関係、欧州諸懸案について意見交換・協議

 6日 アッセルボルン副首相兼外相、スウェーデンを訪問。同国のEU議長国就任(09年後半)準備を兼ねたビルト外相主催非公式夕食会に参加

11・12日 シルツ国防相、NATO国防相会合(於ブリュッセル)に出席

15・16日 ルクセンブルクでEU総務・対外関係理事会開催

16日 ウクライナのティモシェンコ首相来訪。ユンカー首相と二国間関係、エネルギー問題およびEU・ウクライナ関係等について意見交換・協議

18・19日 ユンカー首相およびアッセルボルン副首相兼外相、欧州理事会出席(於ブリュッセル)。新欧州委員会委員長人事、アイルランドのリスボン条約批准問題、金融規制・監視および気候変動問題等について協議

23日 モデールト文化長官、ルクセンブルク・アルメニア文化協定に署名

25日 アッセルボルン副首相兼外相、世界金融・経済危機と開発への影響に関する国連ハイレベル会合に出席(於NY)

27日 アッセルボルン副首相兼外相、NATO・ロシア非公式会合に出席(於ギリシャ)

 

(3)経済

【4月】

 2日 ユンカー首相、OECDによる租税基準の履行状況報告(以下「リスト」)について、その公表前に会見を行い、ルクセンブルクはブラックリストには載らないのではないかなどと発言

3日 ユンカー首相等、プラハでのユーログループ会合後の記者会見で、OECDが同2日に公表した「グレーリスト」に関し、同リストのベルギー、オーストリア、スイス及び当国に関する部分は「事実関係のみ」を示すリストであるなどと発言

6日 クレッケ経済・通商大臣、ルクセンブルクのエネルギー戦略に関する白書に係る第2回ワークショップに出席

 8日 アルセロール・ミタル社、欧州での業務をさらに縮小することを決定した旨公表

21日 クレッケ経済・通商大臣、独ハノーヴァーの見本市を訪問

24日 フリーデン国庫・予算大臣、当地誌Paper Jamのインタビュー記事で、預金利子の源泉課税は、これまでと同じようにOECDやG20で決定された新しい規則と両立すると考えると発言

24~27日 ユンカー首相(ユーログループ議長)及びフリーデン国庫・予算大臣、G財務大臣会合、IMF・世界銀行の総会に出席するなどのため訪米

27日 クレッケ経済・通商大臣、第2回ルクセンブルク知的財産デーを開幕

28日 フリーデン国庫・予算大臣、ルクセンブルク、米国間の二重課税防止条約改正に合意した旨閣議で発表

29日 アルセロール・ミタル社、09年第1四半期決算短信を公表 

【5月】

 6日 フリーデン国庫・予算大臣、シェイク・アハマド・バーレーン財務大臣と、両国間の二重課税防止条約に署名

7日 ・当地各紙、シュタインブリュック独財務相によるルクセンブルク、リヒテンシュタイン、スイス及びオーストリア各国の税制はブルキナファソと同様に不透明であるとした発言に対するユンカー首相の反発を報道

・ルクスイノベーション(イノベーションや研究の促進を行う国の機関)、08年の活動報告書を公表

9・10日 両日付当地紙ル・コティディアン、レディング欧州委員(情報社会・メディア担当)が5月15日早々、欧州委員のトップを切って欧州委員会での業務参加を休止する旨発言したインタビュー記事を掲載

11日 ・ビルツェン文化・高等教育・研究大臣、欧州宇宙機関によるガリレオ計画において、軌道上試験(IOT)用のアンテナをルクセンブルク企業2社が納入する旨発表

・農業・葡萄栽培・農村開発省等、農村開発計画研究デーを開催

20日 フリーデン国庫・予算大臣及びワグナー駐ルクセンブルク米国大使、ルクセンブルク、米国間の二重課税防止条約を修正する議定書に署名

22日 チュッシャー・リヒテンシュタイン首相兼財務相、二国間関係、経済情勢、金融市場の進展、社会政策及びリヒテンシュタイン・EU関係について議論するためルクセンブルクを訪問

23・24日 両日付当地紙ル・コティディアン、税務情報交換に関して12件の二重課税防止条約を早急に締結することが第一の目標であり、同条約の件数が最終的には14件となる見込みであるとのフリーデン国庫・予算大臣の発言を報道

24日 フリーデン国庫・予算大臣、独ディー・ヴェルト紙日曜版のインタビュー記事で、ルクセンブルクは、自動的な情報交換や全般的な開示要請は望んでおらず、また、共通市場や共通規則に賛成であるが、共通税務政策に反対であると発言

29日 フリーデン国庫・予算大臣とデ・ヤガー蘭財務次官、蘭ハーグで、ルクセンブルク、蘭間の二重課税防止条約を修正する議定書に署名

【6月】

 3日 フリーデン国庫・予算大臣とラガルド仏経済・財務・雇用大臣、パリで、仏、ルクセンブルク間の二重課税防止条約の改正議定書に署名

 4日 ・フリーデン国庫・予算大臣とリスボーグ駐ルクセンブルク・デンマーク大使、当地で、デンマーク、ルクセンブルク間の二重課税防止条約の改正議定書に署名

    ・ユンカー首相兼財務相(ユーログループ議長)、当地RTLラジオのインタビューで、7日の総選挙で与党勝利の場合、財務相ポストをフリーデン国庫・予算大臣に譲る一方、ECB及びユーログループには、通貨政策担当を兼ねる首相として関与し続けるかもしれないと述べ、ユーログループ議長職に留まることを排除しない考えを表明

15日 クレッケ経済・通商大臣、第3回インターネット・セキュリティ・デーを開幕

16日 女性労働委員会、次期政権に対して勧告

23日 ・ルクセンブルク、アルメニア両国、二重課税防止条約に署名

・クレッケ経済・通商大臣、税務上の透明性及び情報交換に関する経済協力開発機構(OECD)の基準設定に係る非公式会合に出席のため独ベルリンを訪問

24日 フリーデン国庫・予算大臣、経済協力開発機構の金融市場統合に関するフォーラムに出席

24・25日 シュミット外務・移民担当大臣、OECD閣僚理事会に出席。危機後の世界経済について意見交換・協議

 

(4)大公室・社会

【4月】

16日 大公殿下、54歳の誕生日。セバスティアン王子(大公殿下の第5子)も同日17歳の誕生日

【5月】

11日 フリーデン司法大臣、児童の性的搾取及び性犯罪の再犯と闘うための新たな施策を発表

【6月】 

1日 国内で一人目となる新型インフルエンザ感染者を確認

3日 フェリックス王子(大公殿下第2子)、25歳の誕生日

7日 ルクセンブルク対がん協会(会長:マリア・テレザ大公妃殿下)、国政選挙に望む

各政党にたばこ価格規制、職場や店舗等での禁煙に関するアンケートを発送。キ

リスト教社会党、社会労働党を含む5党が回答

23日 ルクセンブルク国祭日

 

ページトップへ戻る

Copyright (C): Ambassade du Japon au Luxembourg | Legal Matters | About Accessibility | Privacy Policy