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ルクセンブルク情勢(2010年第1四半期1-3月)

 

.概況

【内政】

●当国の戦没者慰霊碑の像「Gelle Fra(黄金の貴婦人)」の上海万博出展をめぐり国内で賛否両論が展開される。

【外交】

●アッセルボルン副首相兼外相,アフリカ連合(AU)首脳会合(1月)に出席するとともに,バルカン諸国(2月),南米諸国(3月)及び中央アジア諸国(3月)を訪問し,ルクセンブルクの立候補する2012年国連安保理非常任理事国選挙に向けた働きかけを強化。

【経済】

●ルクセンブルクの中期的な経済の枠組み・方針を策定する政労使三者協議がスタート。当国の賃金物価スライド制の是非,財政,雇用問題等が中心議題に。

●当国金融監督委員会,金融機関の報酬基準指令を発出。09年4月30日付欧州委員会勧告(2009/384/CE)に沿ったもので,2011年から適用開始。

●インフレ率  :1月2.1%,2月1.5%,3月2.3%

●失業率    :1月5.9%,2月6.0%,3月6.0%

●投資信託資産高:1月1兆8,606億ユーロ,2月1兆8,979億ユーロ,

 3月1兆9,805億ユーロ

 

.主要トピック

(1)日・ルクセンブルク租税条約の改正議定書に署名(1月25日)

末綱駐ルクセンブルク大使及びフリーデン財務大臣が,日・ルクセンブルク租税条約の改定議定書に署名。同改定議定書は,現行条約(平成4年発効)の租税に関する情報交換に係る規定を国際標準に沿った規定に改めるもの。

(2)アルセロール・ミタル社(本社:ルクセンブルク),09年決算発表(2月10日)

総売上高は651億10百万ドル(対前年比48%減),純利益は1億18百万ドル(同98%減))。同社は社員全体の1割強に相当する3万4千名の人員削減を実施したが,2010年にさらに1万人の人員削減を行う模様との仏紙報道を否定。ルクセンブルクでは既に約420名が早期退職し,10,11両年にもそれぞれ200人の早期退職が予定されている。

(3)戦没者慰霊碑の像「Gelle Fra(黄金の貴婦人)」の上海万博出展(3月2日)

上海万博のルクセンブルク館の目玉として,首都中心部の憲法広場にある当国戦没者慰

霊碑の像「Gelle Fra(黄金の貴婦人)」が一時的に取り外され上海に向けて空輸された。これについて当国メディアが賛否両論を展開。同慰霊碑は第一次大戦後,連合軍側で参戦したルクセンブルク人戦没者を慰霊する目的で仏,ベルギー等によって建立されたもの。最上部にルクセンブルク人彫刻家による「黄金の貴婦人」像が安置されている。第二次大戦中,ドイツ軍により撤去されたが1984年に元の位置に戻された経緯がある。

 

3.主な出来事

(1)内政

【1月】

20日 ・ユンカー首相の首相在任15周年記念

    ・ビルツェン法務大臣,妊娠中絶実施の許可条件の一つに社会的苦悩を加えることによる要件緩和を目的とする法案を国民議会へ提出

21日 震災に見舞われたハイチ人孤児(14人)が順次ルクセンブルク国内の里親の下に到着

【3月】

2日  上海万博のルクセンブルク館の目玉として首都の憲法広場にある戦没者慰霊碑の像「Gelle Fra(黄金の貴婦人)」が一時的に取り外され上海に向け空輸される

 

(2)外交・安全保障・EU

【1月】

13日 アッセルボルン副首相兼外相,スペイン(本年前半EU議長国)のセゴビアで開催されたEU非公式外相会合に出席。EU2020年戦略などにつき協議

14日 ユンカー首相,パリを訪問しサルコジ仏大統領と会談。EUのユーログループ(EU財務相会合)の優先課題など欧州経済問題等につき協議

18日 ヤコブス開発協力・人道支援大臣,大震災に見舞われたハイチに関するEU協力相緊急会合に出席(於ブリュッセル)

20日 仏ル・モンド紙,「ほとんど完璧な欧州人」との見出しでユンカー首相を評する記事を掲載

21日 スウェーデン政府,当地同国大使館の閉鎖を発表

25日 アッセルボルン副首相兼外相,EU外務理事会及び総務理事会に出席(於ブリュッセル)。ハイチ震災支援,アフガニスタンに関するロンドン会合及びイラン核開発問題等につき協議

26日 ルクセンブルク及び仏政府,両国の国境を跨いだ協力(越境協力)を強化するための委員会の創設に署名

27日 ファン=ロンパイ欧州理事会議長来訪,ユンカー首相(ユーログループ議長)とユーロ圏経済,EU2020年戦略の策定等について意見交換

28日 アッセルボルン副首相兼外相,アフガニスタン国際会合に出席(於ロンドン)

29日~31日 アッセルボルン副首相兼外相,第14回AU首脳会合に出席(於アジスアベバ)。会議の枠外で個別にアフリカ諸国関係者と会談

【2月】

2日  ジャンコフ・ブルガリア副首相兼財務相が来訪。ユンカー首相と意見交換

4日~5日 ハルスドルフ国防相,NATO国防相非公式会合出席(於イスタンブール)

5日~7日 アッセルボルン副首相兼外相及びハルスドルフ国防相,第46回ミュンヘン安全保障会議に出席

9日~11日 アッセルボルン副首相兼外相,バルカン諸国(モンテネグロ,マケドニア旧ユーゴスラビア共和国,コソボ)を歴訪

10日 ハルスドルフ国防相,EUアタランタ作戦本部(注:ソマリア沖海賊対策)を視察訪問(英ノースウッド)。(注:ルクセンブルクは同作戦本部へ現在1名の士官を派遣,またソマリア沖で当国籍機2機が偵察活動に参加している)

11日 ユンカー首相,EU非公式首相会合に出席(於ブリュッセル)。ギリシャ財政問題,ハイチ震災支援等について協議

22日 アッセルボルン副首相兼外相,EU外務理事会及び総務理事会出席

24日 ・アッセルボルン副首相兼外相,第4回死刑廃止世界会議に出席(於ジュネーヴ)

・ブルガリアのパルヴァノフ大統領が実務訪問。ユンカー首相等と会談

25日 ・アッセルボルン副首相兼外相,オーストリア訪問。シュピンデルエッガー外相と二国間関係等につき会談。天野IAEA事務局長と意見交換

・ベルギーのレテルメ首相来訪。ユンカー首相と会談

26日 ・ルクセンブルクを含むNATO欧州5か国外相,ラスムセンNATO事務総長に対しNATOの核政策の再検討を促す書簡を発出

・ルクセンブルク・クウェイト外交関係開設30周年を記念し,クウェイトのムハンマド外相が来訪

【3月】

1日  カーボヴェルデのサントス国民議会副議長来訪。ユンカー首相と会談

3日  アッセルボルン副首相兼外相,第13回国連人権理事会出席(於ジュネーヴ)

4日  ルクセンブルク2010年外交会議(大使会議)開催。貿易,外国からの投資誘致などルクセンブルクの経済強化を中心議題に議論

5日  ・ネパールのコイララ副首相兼外相来訪。ユンカー首相,ヤコブス開発協力相と会談

    ・ギリシャのパパンドレウ首相来訪,ユンカー首相(ユーログループ議長)とギリシャ財政危機への対応等について意見交換

9日 メルケル独首相来訪。ユンカー・ユーログループ議長(ルクセンブルク首相)とギリシャ経済危機,欧州通貨基金構想等について意見交換

9日~10日 アッセルボルン副首相兼外相,ボリビア及びパラグアイを訪問。二国間関係,ルクセンブルクの2012年国連安保理非常任理事国選挙への立候補,EUとの関係等について協議

16日 アッセルボルン副首相兼外相,リヒテンシュタインを訪問し,フリック外相等と会談

18日 ヤコブス開発協力・人道支援大臣,国民議会に於いて2010年開発協力・人道支援政策について所信表明演説

22日 ・アッセルボルン副首相兼外相,EU外務理事会及び総務理事会に出席(於ブリュッセル)

 ・ハルスドルフ国防相及びファイヨ国民議会外交委員長,アフガニスタンを訪問し,NATO(ISAF)の活動に参加するルクセンブルク兵を激励,関係者と意見交換

22日~23日 ハルスドルフ国防相及びファイヨ国民議会外交委員長,レバノンを訪問し,国連レバノン暫定駐留軍に参加するルクセンブルク兵を激励。関係者と意見交換

23日 セルビアのイェレミッチ外相来訪。アッセルボルン副首相兼外相と二国間経済関係及びセルビア・EU関係について協議

25日 ユンカー首相,欧州理事会出席(於ブリュッセル)。ギリシャ支援策,EU2020年戦略等の経済問題について協議

29日~30日 アッセルボルン副首相兼外相,ウズベキスタン,トルクメニスタン及びキルギスタンを訪問

 

(3)経済

【1月】

9日~13日 クレッケ経済・通商大臣,経済ミッションを率いてインド訪問

11日~14日 ギヨーム皇太子殿下及びフリーデン財務大臣,ルクセンブルク金融ミッションを率いて湾岸諸国(バーレーン,ドバイ,アブダビ,カタール)を訪問

12日 Luxembourg for Finance,ドバイ国際金融センターとの間で市場アクセス,金融規制,インフラ整備,職業訓練等の広範な分野における協力の促進及び産業振興に関するMoUに署名

15日 フリーデン財務大臣とルクセンブルク証券取引所取締役が会合。同大臣は,特に中東やアジア市場の成長が予測されること,多様な顧客を獲得するためには金融センターが積極的な措置を執ることが重要である点を強調

16日 ユンカー首相,「米が発表したような銀行への一律課税を欧州で導入するならば,国毎の検討が必要。税制は各国の管轄事項であり,一律での採用は困難」である旨いわゆる欧州税に関してコメント(ル・コティディアン紙報道)

18日 ユーログループ,ユンカー首相を全会一致で議長に選出(任期2年半)

19日 フリーデン財務大臣,「炭素税といった環境税や一部の金融取引への課税など,EU予算に直接充当される欧州税を導入し,EU予算の財源を見直すべき」旨いわゆる欧州税に関してコメント(ラ・ヴォワ紙報道)

20日 ・Allen&Overy法律事務所,プライベートバンク(PB)の顧客の平均年齢は67歳で顧客の死亡時には契約が終了し,預託財産は相続のために処分されることが多いこと及びPBの淘汰が起こると指摘(ル・コティディアン紙報道)

    ・金融監督委員会によると,暫定値に基づく09年の金融機関の引当金計上前利益は前年比1.4%増の57億7千万ユーロ。利鞘,手数料が減少した一方,有価証券評価益等のその他の利益は増加

25日 日・ルクセンブルク租税条約の改正議定書に署名。(署名者:日本側末綱駐ルクセンブルク大使,ルクセンブルク側フリーデン財務大臣) 

26日 ルクセンブルク中央銀行,暫定値に基づく09年末時点の金融機関就業者数が前四半期比77名減の26,422名と発表

【2月】

4日 ルクセンブルク国際金融インテグリティー協会,NGOと金融関係者双方の代表

を招き,倫理に関する討論会を開催。同協会代表としてサンテール元首相も出席(ラ・ヴォワ紙報道)

5日 独コメルツ,ドレスナー両行の合併により,両行のルクセンブルク支店も統合さ

れ,180名の人員が削減される見込み(ラ・ヴォワ紙報道) 

5日~6日 ユンカー首相(ユーログループ議長),G7財務相会合出席(於カナダ)

8日 欧州委員会,ベルギー・仏・ルクセンブルクの支援を受けたデクシアグループの

経営再建策を承認。ルクセンブルク政府が予定していたデクシア・BIL銀行への3億7,500万ユーロの公的資金の注入が中止に(ラ・ヴォワ紙報道) 

10日 ルクセンブルク投資信託協会,社会的投資信託に関するセミナーを開催。ヴィズラー持続的成長・インフラ大臣が出席(ターゲブラット紙報道) 

14日 ルクセンブルクでドイツ語圏諸国(ルクセンブルク・独・オーストリア・スイス・リヒテンシュタイン)財務相非公式会合開催

18日 伊中央銀行,伊政府の脱税恩赦により同国に還流した851億ユーロのうち,599億ユーロがスイスから,73億ユーロがルクセンブルクから戻ったと発表(ルクセンブルガー・ヴォルト紙報道) 

19日 ・INGルクセンブルク,09年の純利益は前年比35%増の2億600万ユーロ(ラ・ヴォワ紙報道) 

    ・ルクセンブルク政府,保有するBNPパリバ株の配当金として1,900万ユーロを受け取る見通し(ラ・ヴォワ紙報道) 

25日 ルクセンブルク証券取引所にマレーシア証券取引所の代表団が来訪し,今後の提携等について意見交換

25日 ルクセンブルク統合バイオバンク(Integrated BioBank of Luxembourg)がオーブン。同機関は各研究機関が利用可能な生体サンプルの収集,保管,分析を行う

27日 フリーデン財務大臣,独ハンデルブラット紙のインタビューで,11年のECB総裁選に独が推すウェーバー独連銀総裁について「独出身者が総裁となることに問題はない。むしろ朗報」と発言(ラ・ヴォワ紙報道) 

【3月】

4日 フリーデン財務大臣,ルクセンブルク証券取引所が開催した「証券取引所の日」のスピーチで,G20について「国際的な議論の場として理想的ではないが,新興国が意見を述べ,国際協調を模索する場として必要である」,銀行秘匿について「プライバシー保護の観点から不可欠だが,外圧が大きくなっている現状では,ある程度修正せざるを得ないであろう。金融機関はそうした変化に備えるべく,経営能力やサービスの向上を目指すべき」などと発言

6日 デクシア・BILの09年の純利益は,前年比2倍の1億7,200万ユーロ(ラ・ヴォワ紙報道) 

9日 ビルツェン通信・メディア大臣及びクレッケ経済・通商大臣,共同記者会見で,高速インターネット網の重要性を説き,2015年までに毎秒100メガビットの通信網を当国全土に張り巡らせるよう通信事業者を奨励する計画を発表

11日 ルクセンブルク中央銀行,10年第1回マクロ経済報告を発表

15日 クレッケ経済・通信大臣、情報通信技術(ICT)春のセミナーの開会式で,「当国のこれまでの発展は金融業に大きく依存している。当国経済の多角化において,アマゾンやスカイプといった企業が進出しているICT分野が,物流業に続く有望株である」と発言

17日 ・国民議会、政府が20か国との間で締結したOECDモデルに適合する二重課税防止条約を国内法化

    ・政労使三者協議の初回会合開催

17,18日 北朝鮮の最高指導者・金正日が当国の銀行に40億ドルの秘密資金を保有しているのではないかと報じた英デイリーテレグラフ紙の記事に対する当国関係者の反応等がターゲブラット紙に掲載される。駐英ヴュルト大使は,同英国紙に対し本件を否定し,当国の法令と規制措置を説明する書簡を送付。ルクセンブルク金融監督委員会の広報担当は,銀行は異常が発見された場合,検察官に通報する義務を負うとコメント。当国銀行協会のローメス事務局長も,当国の銀行は,本件発生は理論的に不可能とし,馬鹿げた空想で,誇張されているとコメント

18日 金融監督委員会によると,ルクセンブルクの金融市場におけるCDS取引は非常に小さく,CDS取引制限の影響は限定的(ラ・ヴォワ紙報道) 

20日~27日 ギヨーム皇太子殿下及びクレッケ経済・通商大臣,アメリカ4都市(ロサンゼルス、フェニックス、シアトル及びサンフランシスコ)14社を訪問

23日 調査会社Lipper,ルクセンブルク籍の投資信託は14年まで平均10.4%成長し,残高が2兆6千億ユーロ(当館注:10年1月末現在同1兆8,600億ユーロ)を超え,欧州の投資信託に占める割合は現在の32%から38%になる見通しと発表(ラ・ヴォワ紙報道) 

24日 08年の金融セクター(広義)はルクセンブルクGDPの35%を占め,同セクターからの31億ユーロを超える納税額は,同年の国家歳入の31%に(ルクセンブルガー・ヴォルト紙報道) 

25日 ルクセンブルク中央銀行の09年決算は680万ユーロの黒字(08年は同280万ユーロの黒字)

30日 ルクセンブルク証券取引所においてざら場取引が可能な債券が千種類を突破

 

(4)大公室・社会

【1月】

5日  ジャン前大公,89歳の誕生日

【3月】

22日 マリア・テレザ大公妃殿下,54歳の誕生日

30日 ルクセンブルク警察,09年犯罪統計を発表。麻薬,ひったくり,空き巣及び強盗等の犯罪件数が増え,犯罪発生件数が前年比12%増加したなどと報告

 

 

 

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