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ルクセンブルク議会 2004年総選挙概要

1.日程

・2月2日: 「紳士協定」合意(PCS,POSL,PD,D.Greng,ADR,KPLの6政党)

(個人的中傷を行わない、他の政党攻撃を行わない、他の政党の会合等を(組織的に)妨害しない、他党のポスターを損壊・撤去しない、選挙広報費の自己上限設定、広報ポスター等は選挙前60日以内に限る、テレビ・ラジオ広告は選挙当日から6週間以内に限る等)

・4月7-14日:各党の候補者リスト提出

・4月15日:各党のリスト番号決定(くじ引き)

ADR=1番、PD=2番、POSL=3番、Dei Greng=4番、PCS=5番、Dei Lenk=6番、KPL=7番、FPL=8番) →街頭ポスター上の順番や、投票用紙上の並び等に影響(例えば、政党は選挙キャンペーンにて、この「番号」に入れる様アピールする等)

 ・6月13日(日)、8時~14時: 投票日、即日開票、夕刻以降ほぼ見通しがつくと予想。

 

2.選挙登録政党: 8政党(民主的・公平な年金のための行動委員会(ADR)、民主党(PD)、社会労働党(POSL)、緑の党(Dei Greng)、キリスト教社会党(PCS)、共産党(Dei Lenk)、ルクセンブルク共産党(KPL)、ルクセンブルク自由党(FPL)

 

                                  0.028%

議席数/総候補者数/有権者数: 60議席413人21万人

                              約6.9倍   約5000

 

4.今回の選挙の焦点

●今回の選挙は、任期満了に伴う選挙であるが、ほぼ確実視されているPCSの第1党の座維持、そして(=当地WORT紙が実施している世論調査では92%の支持をマークした)ユンカー首相の信任が確認されること。

●連立を左右すると見られる第2党について、PDが維持するのか、それ以前に15年続いたPOSLが奪回するのか。

●緑の党が数議席、議席を伸ばす可能性がある。

●ADRは、三大政党とは基本的に相容れない性格だが、その個性故に選挙の見通しが不透明。

●主な政策課題は、失業、雇用、経済(金融センターと、多角化)、教育等

 

 

《参考資料》2004年 ルクセンブルク大公国 国民議会総選挙(各主要政党比較)

平成16年5月24日

1.名称・スローガン・主要人物(以下の他に、FPL(ルクセンブルク自由党)がある)

 

キリスト教社会党

民主党

社会労働党

年金党(民主的・公平な年金のための行動委員会)

緑の党

共産党

ルクセンブルク

共産党

仏語(ルク語)名

略称

Parti Chretien-Social

(PCS) (ルク語:CSV)

Parti Democratique

(PD)(ルク語:DP)

Parti Ouvrier Socialiste Luxembourgeois (POSL)

ルク:Aktiounskomitee fir Demokratie a Rentegerechtegkeet (ADR)

ルク:Dei Greng

La Gauche

ルク:Dei Lenk

KPL

スローガン

[De sechere We]

「確かな道、正しく、確固たる目標を持った道へ」

(注:これまで連続で与党第一党を占めてきたことの強みをアピール)

[Zesummen no vir]「一体となって前進」

(注:与党連立で5年間踏み外さずに成果を上げてきたという自負も含め、次期連立をアピール)

[Am Mettelpunkt vum Liewen]

「社会環境を重視」

(注:雇用・労働・社会・生活といった同党らしいアピール)

[Konsequent a Kompetent]

「結果と能力」

 

[Neit Kapital fir Letzeburg]

「ルクセンブルクの新資本」

(注:経済としてだけでなく、人的、社会的な意味での資本を示す由。)

[Eng aner Welt ass meglech]

「新しい世界へ」

 

主要人物

(括弧内は、選挙区)(☆印は、欧州議会選挙候補にも登録)

☆ユンカー首相(南)

☆ビルツェン労働相(南)

☆フリーデン法・予相(中)

☆ボーデン農相(東)

☆ヤコブス家族相(北)

☆エニコ文化相(中)

☆ルリング欧州議員

☆レディング欧州議員

☆シュパウツ国会議長

☆ウォルター大臣

・ティールABBL会長(中)

・マーク・シュパウツ(南)

・シルツ幹事長(中)

☆ポルファー副首外(中)

☆グーレンス国防相(北)

☆グレーテン経済相(南)

☆ワグナー保健相(東)

☆ブラッスール教育相(中)

・シャーク公行革長官(中)

・ベルジェ環境長官(南)

☆フレッシュ欧州議員(中)

☆ベッテンドルフ国副(中)

☆へルミンガー市長(中)

 

☆アッセルボルン党首(南)

・カステニャーロ労代(南)

☆ファイヨ議員(中)

☆メーレン副党首(東)

・バウシュ党首(中)

・トュルメス欧州議員

 

 

  

政策比較-1(財政、失業・雇用対策、金融センター、経済多様化)

 

キリスト教社会党

PCS)

民主党

PD)

社会労働党

POSL)

年金党

ADR)

緑の党

Dei Greng)

共産党

Dei Lenk)

共産党

KPL)

財政

・財産税の廃止を目標

・欧州内でも比較的低めの付加価値税率の水準を維持。

・支出増大抑制

・欧州内でも比較的低めの付加価値税率の水準を維持。

 

 

・教育と運輸面への投資に力点を

 

 

失業・雇用対策

・雇用対策強化(職業訓練の充実)

・労使交渉による労働時間短縮は容認

・65歳退職維持

・労働時間短縮反対(→企業の競争力を低下する)

・自宅勤務、パートタイム等の新勤務形態についてはルールが必要

・失業対策に取り組む

・(一時的)勤務時間短縮に取り組むべき

 

・技術革新と対象産業を見極めた政策により失業対策を

・教育(職業資格等)の充実による失業対策。

 

 

金融センター

・これまでの優位性を維持(新商品の導入等)

・ルクセンブルク大学とルクセンブルク金融学校の質の確保

・優位性を維持

・銀行業務研修研究所、ルクセンブルク金融学校、ルクセンブルク大学間の協力

 

 

 

 

 

経済多様化

・税制環境、多言語環境、質の高い労働力、インフラ、社会的安定性といった「ルク」の強みを最大限に生かして、多角化を推進すべき。

eルクセンブルク、電子政府の推進

・隣国や世界経済の影響を抑える為、経済の多角化をすすめるべき。

・サービス業

・ハイテク等のニッチ産業

・eルクセンブルク、電子商取引分野等、新技術を推進する。

 

・先端技術におけるR&D等を強化。

・エネルギーやハイテク

・大規模な航空会社や貨物輸送会社等が必要。

・新技術(IT)によって行政の透明化をはかり、行政文書・手続きにも応用すべき。

 

・経済再活性化の観点から、経済多角化を支持。

・リスボン戦略の欧州レベルでの施行を支持。

・電子政府を推進し、IT分野における新技術を導入し、行政を近代化すべき。

 

 

  

政策比較-2(経済全般、持続可能な発展・環境問題等、司法・警察、社会)

 

キリスト教社会党

PCS)

民主党

PD)

社会労働党

POSL)

年金党

ADR)

緑の党

Dei Greng)

共産党

Dei Lenk)

共産党

KPL)

経済全般

・研究開発(R&D)費の増加(2010年までにGDP3%を)

・アントルプルナーシップ(同関連ワン・ストップ・サービスの充実)

・資産税の廃止

・グランド・レジョンに対する求心力としての位置づけを要確保

・エッシュ・ベルバル・プロジェクトの支持。

TGV東への接続。

・欧州首都を繋げるTGV計画を支持

・国内高速道路は需要に応じて慎重に。

・技術開発と、研究の充実

 

 

・起業家を支援

・グランド・レジョンレベルでの相対的な経済政策が必要

・学校と公共交通手段、情報通信分野における新技術及び環境を中心に。

 

・反資本主義

持続可能な発展・環境問題等

・インフラ整備が不可欠。

IVL(交通・空間の計画的開発機関)の研究を開拓

・水資源消費課税

・首都圏トラム構想

・再生可能エネルギー

・欧州レベルでの重量車両への課税が望ましい。

 

・水質保護

CO2排出削減

 

 

司法・警察

司法国家、警察改革

 

 

 

 

 

 

社会

・育児休暇

・スライド制賃金の維持

・市民の法案提出権付与

・レファレンダム

 

・国内医療体系の改善に道筋を付けたと自己評価

・国外の医療サービス・アクセスの簡便化

 

・福祉国家の確立

・学校・家庭・仕事の三要素の相関重視

・麻薬問題

・同性愛者の婚姻

・「ルク語」の存続

・主権の維持(欧州の文脈で)

・女性のための政策強化

・交通機関の充実

 

 

 

 政策比較-3(教育、政労使三者協議、その他)

 

キリスト教社会党

PCS)

民主党

PD)

社会労働党

POSL)

年金党

ADR)

緑の党

Dei Greng)

共産党

Dei Lenk)

共産党

KPL)

教育

・機会均等の確保。

・社会、経済環境に適応した形での生涯教育等の充実。

・成果があった分野と自己評価

・技術教育に力を入れるべき

・仏・独語の語学習得にも力を入れるべき

・金融高等学院にも関与

・オンブズマン制度の創設

・ルク大学の方向性(金融・バイオ等の得意分野の確立)

・評価方式の見直し

・職業訓練の充実(雇用体系の根本的解決策として)

・より個別の児童にあったプログラムを

・教育プログラムの適正化

・適正な語学教育とプラス評価法を。

・生涯教育は、全ての教育政策の中心に。

 

・インフラや家庭支援の充実

・基本教育プログラムの簡素化(より個別に適応した教育を実施する余裕を創造する観点から)する。

・評価方式の見直し

・子供の機会均等の確保

 

 

政労使三者協議

 

 

 

 

 

 

 

その他

・二重国籍制支持

・二重国籍制支持

・二重国籍制支持

・二重国籍制反対

 

 

 

  

政策比較-4(外交分野)

 

キリスト教社会党

PCS)

民主党

PD)

社会労働党

POSL)

年金党

ADR)

緑の党

Dei Greng)

共産党

Dei Lenk)

共産党

KPL)

外交分野

・大西洋関係(米欧)を尊重しつつ、欧州の政治・安全保障に積極的に関与していく。

・真の社会的欧州の志向。

・開発協力(経協)政策は政府の重要課題の一つとして維持し、中期的には、GDPの1%を目指す。

・バルカンの平和と安定を一つの焦点

・グランドレジョンにおいては、運輸、インフラ、地域全体の開発に力を入れる。また、同地域における教育面での強調を推進する。

EUにおける推進役として役割を中心にすえる。

・国際場裏においても信頼できるパートナーとしての地位を維持していく。

・欧州統合を支持。また、グランドレジョン、ベネルクス、仏独との関係を重視。

・トルコのEU加盟反対

・民主的、環境派、社会的な欧州を志向。

・グランドレジョンにおいては、越境労働者の問題を改善する。

 

 

 

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