ベッテル首相及びレナート保健大臣の会見:レストラン・カフェの再開等(5月25日)

令和2年5月26日
 5月25日,ベッテル首相及びレナート保健大臣は会見を行い,レストラン・カフェ及び各種行事等の再開について発表を行ったところ,概要以下のとおり。

【ポイント】
●結婚式や葬式等の宗教的セレモニーに関し,20名以上の参加を許可する。また,文化・スポーツ行事,会議,宗教行事等,事前予約により指定席を確保できる行事についても,20名以上の参加を許可する。
●レストラン及びカフェについては,5月27日(水)からテラス席のみ再開,29日(金)から店内席も再開する。ただし,立食席は不可,着席するテーブルは1.5m間隔を維持し,同テーブルに着席する人数は,同世帯である場合を除き,4名までとする。
●フィットネス施設(ウェルネス・スペースを除く),映画館,プールについても,感染防止措置を行う前提のもと,29日(金)に再開する。

【会見概要】

1 新たな規制緩和の発表
 本25日閣議において,以下の決定を行った。
(1)集会については,引き続き,自宅での設宴等は(家主を除き)6名を上限とし,屋外における集会は20名を上限とする。ただし,結婚式や葬式等の宗教的セレモニー(パーティー等の集まりは対象外)に関し,2mの社会的距離の維持が可能であることを条件に,20名以上の参加を許可する。社会的距離の維持が難しい場合には,マスク着用を義務づける。
(2)事前予約により指定席を確保できる行事(文化・スポーツ行事,会議,宗教行事等)についても,20名以上の参加を許可する。社会的距離の維持が保証されるよう,事前に席の割り当てを行う。
(3)宗教行事(ミサ等)に関しては,参加登録のためリストを作成し,終了後に個人情報保護のため破棄する。同世帯の者同士であれば隣り合って着席できるが,その他の場合には,他者との間に2mの距離を維持する。2m距離が維持されれば,マスクを外しても差し支えないが,建物に入る際や中で移動する際,列に並ぶ際にはマスク着用が求められる。また,司祭は聖体のパンを信者に手渡す際,マスクを着用する。聖歌隊の再開については,高いリスクを伴うことから,引き続き状況分析を行っている。
(4)レストラン及びカフェについては,5月27日(水)からテラス席のみ再開,29日(金)から店内席も再開する。ただし,立食席は不可,着席するテーブルは1.5m間隔を維持し,1.5m間隔が難しい場合にはテーブル間についたて等設置することが条件となる。同テーブルに着席する人数は,同世帯である場合を除き,4名までとする。テーブル着席時には1.5m間隔の維持は現実的に不可能であるため,強制はしない。サーバーはマスクを着用し,客も席を立つ際やサーバーと話す際にはマスクの着用を義務づける。営業は深夜1時までとする(当館注:通常時は午前3時(それ以降は要申請)まで延長可)。社員食堂等では,できる限り同じグループごとに食事をとることが望ましいが,義務ではない。ビュッフェ形式である場合には,並んでいる際のマスク着用が求められる。
(5)その他,フィットネス施設も,ウェルネス・スペースを除き,29日(金)に再開する。映画館についても,館内での社会的距離を維持するためのシステム導入を条件に,再開する。また,プールも29日(金)に再開が可能となるが,感染防止措置が求められる。
(6)フェアや展示会は大多数の人が集まる場となるため,引き続き禁止とする。
(7)ダンス・スクールについては距離の維持が困難だが,参加者間の間隔が保てるようであれば,再開可能である。音楽学校については,歌と同様のカテゴリーとなり,またトランペット等管楽器には感染の高いリスクがあるとの考えも最近発表されている。

2 COVID-19法の整備
 先週20日の会見においても言及した新たなパンデミック法となるCOVID-19法案は,明26日に国民議会に提出予定となっているが,今後状況の変化がみられる場合には,最終投票前の法案改正がまだ可能となる。

3 規制再開の可能性について
(記者からの問いに対し)我々のモニタリングは引き続き,病院のベッド台数に基づいており,多くのデータや広範囲な検査戦略も有しているため,(感染者数増加等の)状況の変化には早期に気づき,第二波が生じた場合には,追跡や隔離対応をより早く行うことができるだろう。前回のように唐突に訪れることはないため,急なロックダウンはおそらく避けることができるだろう。当国の規模を考えると,一日に15~20名程度の新規感染者が出たらリスクを考え直す必要がある。また,接触追跡が困難となり,感染者の隔離に失敗すれば,問題となるだろう。COVID-19ワーキング・グループは,出口戦略の策定に加え,今後生じうる新たな隔離規制措置のイメージも検討する用意ができている。

4 休暇の海外渡航について
(記者からの問いに対し)EUレベルで,各国政府と協議を行っている。規制緩和開始当初には,感染者数が低い国のみから旅行者を受け入れると述べる国もいたが,現時点ではその議論から離れ,各国は旅行出発前にCOVID-19検査の陰性結果を求める等の措置導入を行うことになるだろう。ルクセンブルクのインフラは開いており,政治レベルで良い結論が出ることを期待している。