ベッテル首相及びレナート保健大臣の会見:段階的緩和等に関するブリーフィング(5月20日)
令和2年5月26日
5月20日,ベッテル首相及びレナート保健大臣は会見を行い,新型コロナウイルスに関する各種措置の段階的緩和について発表したところ,概要以下のとおり。
【ポイント】
●状況が前向きに維持できれば,来週25日(月)の会見において,6月1日以降の新たな措置(緩和第3フェーズ)について発表できる見込みである。
●HORESCA(ホテル,レストラン,カフェ),観光セクター等を対象に,7~8憶ユーロの追加支援パッケージを発表。
●6月24日の非常事態期間終了までに,ルクセンブルクにおける新たなパンデミック法の整備を行う。
●海外渡航については,国境を閉鎖することを考えてはおらず,渡航を控えるべき国の「レッドリスト」を作成する予定もない。
●フランス・ルクセンブルク間国境管理は,6月15日までと言われている。アセルボーン外相は,ベルギー国境はフランス国境よりも先に開くことと期待している。
●患者数の減少にともない,5月29日より,専門ケアセンター(Centres de soins avances)を段階的に閉鎖していく。
【会見概要】
(ベッテル首相)
1 新型コロナウイルス感染状況
ウイルス感染状況は落ち着いており,希望が持てるものである。4月20日から緩和の第1フェーズ,5月11日から第2フェーズへと入ったが,5月11日以降の緩和の影響を評価するのは時期尚早である。来週25日(月)にはまた閣議が行われ,第2フェーズ開始から2週間が経過するため記者会見を行うだろう。状況が前向きに維持できれば,25日の会見において,6月1日以降の新たな措置(緩和第3フェーズ)について発表できる見込みである。
2 経済支援
危機により影響の大きかったセクターの再開について,先週は組合や企業主と充実した議論を行うことができた。今朝の閣議においていくつかの措置が決定されたが,そこには彼らからの提案もいくつか反映されている。
(1)危機による重大な打撃を受けたセクターに対し,業務再開のための支援として,既存の支援に加え7~8憶ユーロの追加支援パッケージを用意する。例えば,HORESCA(ホテル,レストラン,カフェ)や観光セクターに対し,ダメージを和らげるための支援が行われる。この支援では,ア雇用の維持,イ企業に対する直接資金援助,ウ持続可能な成長を3本柱とする。
(2)従業員250名以下の企業に対し,6月には従業員一人につき1,000ユーロ,7月には750ユーロ/従業員,8月には500ユーロ/従業員の直接資金援助が行われる(上限は500,000ユーロ/月)。この支援は返金不要であり,免税となる。
(3)また,国内の観光・ホテル業を支援するため,市民及び越境労働者に対し,ルクセンブルク国内ホテルに一泊宿泊するためのチケットを配布する。
(4)商業施設の地主に対しては,賃貸料の値下げを行う場合,賃貸料利益について二重免税を行う(上限15,000ユーロ)。また,私人の賃貸料は,本年12月31日まで値上げを行わない。
(5)低取得者を支援するため,生活保護を倍額とする。
(6)今後,家族休暇を維持するための法的枠組みを確保する。
(7)学生の奨学金申し込み期限が延長される。
(8)EUレベルではグリーン・ディールが採択される見込みであることから,我々にとってもグリーン成長が重要となる。電気自動車や自転車,エネルギー効率向上のための補助金は拡大する。これは,同サービスを提供する企業の利益にもなるだろう。
3 レストラン,カフェ等の再開
レストラン,カフェ等については,6月1日に再開できるかまだ明確ではなく,来週25日に方針発表を予定している。再開した場合も,これまで同様の自由に即時に戻ることにはならないだろう。例えば,カウンターに隣り合ってビールを飲むようなことは想定されないだろう。
4 COVID-19法の整備
新規感染者数が低く抑えられているものの,ウイルスとの闘いは終わっていない。6月24日の非常事態期間終了までに,政府は,国民議会,野党,その他重要な関係者と協力し,ルクセンブルクにおける新たなパンデミック法を整備するべく努める。危機の初期段階では,迅速な対処が求められたため大公令の形をとったが,今後は国民議会も関与した上でのパンデミック法を整備する。法案については,国民議会での満場一致を目指しており,25日に引き続き議論が行われる予定である。
5 宗教の制限について
(カトリック教会から,政府によるミサ実施制限に関する姿勢に対し批判があったことを受け)宗教を軽視してはいない。今問題となっているのは国民の健康であり,集会及びデモの自由についても同様に制限されている点指摘したい。異なる宗教の代表者たちと金曜日に協議を行う予定である。
6 海外渡航について
(旅行の再開と感染拡大の可能性に関する記者からの問いに対し)我々は国境を閉鎖することを考えてはおらず,渡航を控えるべき国の「レッドリスト」を作成する予定もない。
7 フランス及びベルギーとの国境
(1)フランス・ルクセンブルク間及びベルギー・ルクセンブルク間国境の再開については,アセルボーン外相が自分(ベッテル首相)に述べたことによれば,ベルギーでは本件について決定がなされる安全保障会議が行われている。同会議では,他国の国境再開状況等も見て検討を行っている。ベルギー国内での移動制限も現在引き続き存在している。
(2)フランスでは,措置は6月15日までと言われている。アセルボーン外相は,ベルギー国境はフランス国境よりも先に開くことを期待していると自分に述べている。
(レナート保健大臣)
8 注意継続の呼びかけ
(1)ウイルスは今も継続しており,引き続き慎重で責任ある行動を呼びかける。目的は感染のチェーンを途絶えさせることであり,2mの社会的距離の維持がその主要な手段となる。ウイルスは消えることはないので,感染を遅らせる努力をしなければならない。
(2)感染者検出のための検査戦略にも取り組んでおり,22日(金)には戦略における最初の評価を発表できる見込みである。
9 医療サービスの再整備
(1)専門ケアセンター(Centres de soins avances)の一部閉鎖
患者数の減少にともない,5月29日,エッテルブルクとグレーヴェンマッハの専門ケアセンターを閉鎖する。エッシュのセンターは6月15日閉鎖を予定している。Luxexpoについては待機状態とし,閉鎖するが必要になれば速やかに再開できるようインフラを維持する。
(2)医療ボランティアの数を減らしている関係で,医療セクターの組織的な変革が必要となっている。様々な関係者と協議を行い,第2波が生じた場合どのように制度を整備するか検討している。第2波が生じた場合,第1波と比べ医療品等のストックもあるので,より安定した状況でスタート地点に立てるだろう。
【ポイント】
●状況が前向きに維持できれば,来週25日(月)の会見において,6月1日以降の新たな措置(緩和第3フェーズ)について発表できる見込みである。
●HORESCA(ホテル,レストラン,カフェ),観光セクター等を対象に,7~8憶ユーロの追加支援パッケージを発表。
●6月24日の非常事態期間終了までに,ルクセンブルクにおける新たなパンデミック法の整備を行う。
●海外渡航については,国境を閉鎖することを考えてはおらず,渡航を控えるべき国の「レッドリスト」を作成する予定もない。
●フランス・ルクセンブルク間国境管理は,6月15日までと言われている。アセルボーン外相は,ベルギー国境はフランス国境よりも先に開くことと期待している。
●患者数の減少にともない,5月29日より,専門ケアセンター(Centres de soins avances)を段階的に閉鎖していく。
【会見概要】
(ベッテル首相)
1 新型コロナウイルス感染状況
ウイルス感染状況は落ち着いており,希望が持てるものである。4月20日から緩和の第1フェーズ,5月11日から第2フェーズへと入ったが,5月11日以降の緩和の影響を評価するのは時期尚早である。来週25日(月)にはまた閣議が行われ,第2フェーズ開始から2週間が経過するため記者会見を行うだろう。状況が前向きに維持できれば,25日の会見において,6月1日以降の新たな措置(緩和第3フェーズ)について発表できる見込みである。
2 経済支援
危機により影響の大きかったセクターの再開について,先週は組合や企業主と充実した議論を行うことができた。今朝の閣議においていくつかの措置が決定されたが,そこには彼らからの提案もいくつか反映されている。
(1)危機による重大な打撃を受けたセクターに対し,業務再開のための支援として,既存の支援に加え7~8憶ユーロの追加支援パッケージを用意する。例えば,HORESCA(ホテル,レストラン,カフェ)や観光セクターに対し,ダメージを和らげるための支援が行われる。この支援では,ア雇用の維持,イ企業に対する直接資金援助,ウ持続可能な成長を3本柱とする。
(2)従業員250名以下の企業に対し,6月には従業員一人につき1,000ユーロ,7月には750ユーロ/従業員,8月には500ユーロ/従業員の直接資金援助が行われる(上限は500,000ユーロ/月)。この支援は返金不要であり,免税となる。
(3)また,国内の観光・ホテル業を支援するため,市民及び越境労働者に対し,ルクセンブルク国内ホテルに一泊宿泊するためのチケットを配布する。
(4)商業施設の地主に対しては,賃貸料の値下げを行う場合,賃貸料利益について二重免税を行う(上限15,000ユーロ)。また,私人の賃貸料は,本年12月31日まで値上げを行わない。
(5)低取得者を支援するため,生活保護を倍額とする。
(6)今後,家族休暇を維持するための法的枠組みを確保する。
(7)学生の奨学金申し込み期限が延長される。
(8)EUレベルではグリーン・ディールが採択される見込みであることから,我々にとってもグリーン成長が重要となる。電気自動車や自転車,エネルギー効率向上のための補助金は拡大する。これは,同サービスを提供する企業の利益にもなるだろう。
3 レストラン,カフェ等の再開
レストラン,カフェ等については,6月1日に再開できるかまだ明確ではなく,来週25日に方針発表を予定している。再開した場合も,これまで同様の自由に即時に戻ることにはならないだろう。例えば,カウンターに隣り合ってビールを飲むようなことは想定されないだろう。
4 COVID-19法の整備
新規感染者数が低く抑えられているものの,ウイルスとの闘いは終わっていない。6月24日の非常事態期間終了までに,政府は,国民議会,野党,その他重要な関係者と協力し,ルクセンブルクにおける新たなパンデミック法を整備するべく努める。危機の初期段階では,迅速な対処が求められたため大公令の形をとったが,今後は国民議会も関与した上でのパンデミック法を整備する。法案については,国民議会での満場一致を目指しており,25日に引き続き議論が行われる予定である。
5 宗教の制限について
(カトリック教会から,政府によるミサ実施制限に関する姿勢に対し批判があったことを受け)宗教を軽視してはいない。今問題となっているのは国民の健康であり,集会及びデモの自由についても同様に制限されている点指摘したい。異なる宗教の代表者たちと金曜日に協議を行う予定である。
6 海外渡航について
(旅行の再開と感染拡大の可能性に関する記者からの問いに対し)我々は国境を閉鎖することを考えてはおらず,渡航を控えるべき国の「レッドリスト」を作成する予定もない。
7 フランス及びベルギーとの国境
(1)フランス・ルクセンブルク間及びベルギー・ルクセンブルク間国境の再開については,アセルボーン外相が自分(ベッテル首相)に述べたことによれば,ベルギーでは本件について決定がなされる安全保障会議が行われている。同会議では,他国の国境再開状況等も見て検討を行っている。ベルギー国内での移動制限も現在引き続き存在している。
(2)フランスでは,措置は6月15日までと言われている。アセルボーン外相は,ベルギー国境はフランス国境よりも先に開くことを期待していると自分に述べている。
(レナート保健大臣)
8 注意継続の呼びかけ
(1)ウイルスは今も継続しており,引き続き慎重で責任ある行動を呼びかける。目的は感染のチェーンを途絶えさせることであり,2mの社会的距離の維持がその主要な手段となる。ウイルスは消えることはないので,感染を遅らせる努力をしなければならない。
(2)感染者検出のための検査戦略にも取り組んでおり,22日(金)には戦略における最初の評価を発表できる見込みである。
9 医療サービスの再整備
(1)専門ケアセンター(Centres de soins avances)の一部閉鎖
患者数の減少にともない,5月29日,エッテルブルクとグレーヴェンマッハの専門ケアセンターを閉鎖する。エッシュのセンターは6月15日閉鎖を予定している。Luxexpoについては待機状態とし,閉鎖するが必要になれば速やかに再開できるようインフラを維持する。
(2)医療ボランティアの数を減らしている関係で,医療セクターの組織的な変革が必要となっている。様々な関係者と協議を行い,第2波が生じた場合どのように制度を整備するか検討している。第2波が生じた場合,第1波と比べ医療品等のストックもあるので,より安定した状況でスタート地点に立てるだろう。